子供・教育・育児

息子をギャンブルから脱出させた経緯と方法

2018/09/27

今から4年前のことになります。無事、高校を卒業して就職。晴れて社会人として活躍の場を某大手企業の工場に移し、連日慣れない仕事や職場環境ながら、元気よく出社していく姿にホッと胸をなで下ろす毎日を送っていました。

ところが1年後、この幸せの時間が突然崩れかける我が家の重大事件が起きたのです。ゲームとパチンコによる多額の借金です。偶然私が見つけたからいいものの、あのままの状態を続けていたら…と考えると背中に冷たいものが走る思いです。

でも一応、今のところ何とか立ち直らせることができたものと…。まだまだ先のことは分かりませんが、約2年に及ぶ辛抱の末、息子は今ようやく全うな人生を歩む軌道に乗れた…そんな気がしています。過去を振り返り、何が起き、何をポイントにどう対処し、どう変遷していったのかをお話ししていきたいと思います。


ギャンブル、スマホゲーム課金が当たり前の最悪な職場環境

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息子は人一倍身なりというかファッションにこだわりを持っていて、元服飾関係の会社に勤めていた妻と結構服装について話し合う機会をもっていました。

私はパソコンマニアで、アマチュアのシンガーソングライターといった面もあって、息子とは共通の話題で会話はそれなりにありました。ですから、日頃の息子の素行を見ていて、少し短気や粗雑な面はあるものの、大方大丈夫だろうと高をくくっていました。しかし、これが大間違いだったのです。

勤務している工場は1日8時間労働で3交代の完全シフト制。社員は社長と工場長をはじめとする大幹部を除いてほとんどが地元採用者。40歳代以上の人間が多く、出世したところで…といったある意味、諦観しているような雰囲気が漂っていました。

ですから、かなりの社員がギャンブルに走っていたり、多額の借金をこしらえて日々苦しい生活を余儀なくされていたり…。中には違法な物に手を出している人間もいたりで、最悪な環境下にあったと言っても過言ではないかもしれません。

こんな中で息子が感化されない訳がありません。もちろん警察のご厄介になることだけは…と、こちらは幼い頃から言い続けてきたことだけあって、相当本人も意識していたようで当の先輩を避けていたようです

。問題はギャンブルの方だったのです。会社では休憩など時間が空いたときには、あちこちでスマホでのゲームに熱中しているシーンが見られるとか。もとよりゲーム好きの息子は、直ぐに仲間に引き込まれ、課金地獄にはまり込んでいくことになるのです。

課金地獄の恐怖

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入社して1年ぐらい経ったある日、たまたま息子の机の引き出しにあった預金通帳が目に留まりました。さて、どれくらい貯め込んでいるのかと半分楽しげな感じで中を覗き込みました。そのときです。自分でも自分の目を疑うような数字が目に入ってきたのです。

「残高23円」

いったい何の数字なのか、これは本当に通帳なのかと思わずぐるぐる眺め回したものです。気を取り直して、しっかりと通帳に記載されている数字を時間をさかのぼるように見ていきました。

そこで分かったのが、なんと給与が振り込まれた次の日に、10万円前後のクレジット払いが何ヶ月にもわたって行われていたのです。さらに驚いたことに、1ヶ月の小遣いは3万円と宣言しておきながら、途中には数万円を引き出してあったのです。帰宅した息子に早速聞き出さなければ…頭に浮かんだのは、ただただそれだけでした。

ギャンブルは地獄の1丁目

嘘を付かれたという悔しさ。裏切られたという悲しさからくる怒りをぐっとこらえながら、なぜこんなことになったのかを問いただしました。私としてはどこまでも冷静にです。客観的に見たら、おそらくそんな感じではなかったことと思いますが…。大体、こんな状況にあって、冷静でいられるわけがありません。

それでも自分で意識しているのと、いないのとでは随分と対応が違ってくるものと判断したからです。怒りは恐怖しか生まない。恐怖はトラウマとなって、また同じ過ちを繰り返すものー。どこかで読んだか見た台詞がふと頭に浮かんだのです。

また猫の話も…です。トイレとは別の所で排便をしたとき、声を荒げて怒ると必ずといっていいくらい、また同じような所で便をするのです。確かに我が家で飼っている猫も同じことをやります。ですから、たとえ高等動物である人間であっても同じなのです。

私の知り合いのギャンブラーは、どうしても抜けきれず、結局は犯罪にまで手を出してしまいました。奥さんにまで止めるよう激しく泣かれても、子供が登校時に玄関でゲロを吐くまでになっても、またしばらくすると元の木阿弥になってしまったという例もあるくらいです。

ギャンブルはまさに地獄の1丁目だと言えるでしょう。息子もまた、同じような道をたどるのでは…と、そんな不安が頭をよぎりました。反射的に「怒ってはいけない。覆水盆に返らずだ。やってしまったことは元には戻らない。だから、手っ取り早く、先だけ見ていこう。

問題は、どうしたら借金体質をなくすことができるのかだ」。自問自答する中で、なぜ息子はこんなことをしでかすようになったのか。原因の根っこを絶たなければ、また同じことの繰り返しになる…息子と向き合い、しばし沈黙が続く中で考え続けていました。

次はパチンコ狂

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「おい、ところでこの途中に引き出している大金は何に使ったんだ?」

息子に問いただすと、下を向いたままポツリ「パチンコ…」と一言。3万円、5万円…などといった金額が通帳のあちこちに点々と並んでいるページを見つけたのです。ゲームの次はパチンコも…か。まさに空いた口が塞がらない状況に陥ってしまいました。

会社の先輩に誘われたのがきっかけで、休みの日にはほとんどパチンコ台の前に座っていたとか。私たちには友達とカラオケに行くとか、ドライブに行くとかいっておきながら…。こちらもよくよく問いただすと「交代制でほとんど土日は休みではないから、皆と一緒にならない。だから、一人で遊びに出るとなるとどうしても…」というのが返答でした。

理由を聞くと何となく頷きがちになってしまうものです。それは事実だからです。もし自分がその立場だったら…などと考えると、どうしても否定できないもの。私も若い頃は一時的にですが、パチンコ狂もどきになった経験はあります。それでも、私の場合は根っこにあるのが、ギャンブルは気質に合わないというジンクスめいたもの。最終的には負けが続き、この時点で「や?めた。やっぱり私には…」とケリを付けられたからです。

しかし、どうして自分の息子なのに、この感覚が働かないのかと不思議でならないのです。もしかしたら隔世遺伝? 私の父がギャンブル狂で、母泣かせだったので…。私はその母の泣き顔と、「あんただけはギャンブルなんかやめてね」と口うるさく言われていたことが、頭の奥深くに焼き付いているのかもしれません。そう思うと、息子にはやはり父譲りのキライが…などとつい思いがちになってしまいます。

それでも、その父も最終的にはすべて止めることができたのですから、息子だってできないことはない。私には自分で自分にそう言い聞かせることに徹したのです。

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ギャンブルから脱出するために預金管理を徹底

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さて、そこで私が次に取った行動は、息子が持っているすべての預金通帳の管理を私自身がすることでした。会社で行っている財形預金を除いて、数冊ある預金通帳をまず2冊まで減らすこと。うち1冊は給与の振り込み用。兼、まだ借金が残っているクレジットなどの返済用に…としたのです。

もう1冊は、借金を引いて残った分を全額入れておくためのもの。ここから小遣いなど必要な経費を引き出すのです。つまり残った分が預金残高となって、実質の貯金に相当することになるからです。

さらに、この通帳から引き出すとき、必ず何のために使ったのか、理由を金額の横に記すことを義務づけました。こうしておけば、自分でも経費の実態を把握でき、自己管理意識の向上に役立つのではと考えたのです。こうやって10ヶ月余り、借金はゼロになり、「32円」だった預金通帳の残高は数十万円にまで膨れ上がりました。

月に数万円ずつ貯まっていく現状を見るたびに、どこかホッとした気分に浸れた気がしたものです。ただし、完全に息子を信用できていたわけではありません。どこかで、あれだけの嘘をついたのだから…という意識が働いていたことだけは間違いありませんでした。

息子も通帳に出費理由を記載する習慣ができて、毎日のように通帳を眺めるようになっていきました。眺めることが肝心なのです。これが収支の実態を意識し、金銭感覚を正常に戻してくれるからです。私もこれでもう大丈夫だろうなあ…と思っていた矢先、今度は別の最悪な案件が沸き上がってきたのです。

今度は隠れた大出費

息子が突然、会社を辞めたいと泣きながら訴えてきたのです。これまでにも何度も辞めたいと言ってきたことはあったのですが、これほど真剣な発言は初めてでした。私は咄嗟に息子の体調を察し、二つ返事で了承していました。それからというもの、息子は元気を取り戻していき、とうとう退職する日の1週間ほど前になったときのこと。私と妻の二人を呼んで、謝りたいことがあるというのです。いったい何が…。

「(30万円近くあった)財形預金はもう全くないし、(逆にまだ隠れて使った最後の)ゲームの課金が10万円近く…」

私たち二人は茫然としてしまい、ショックが大き過ぎて二の句が継げられませんでした。あれだけ手厳しくも優しく言って、ここまでしっかり上り詰めてこれたのに…。そんな複雑な思いが、ただただ交錯するばかりでした。加えて退職。いったいこれからどうすればいいのか。

また、息子はどうなるのか。どうしたいのか。まさに五里霧中といった感じでした。

しかし、こんなところで再び立ち止まっているわけにはいかない…というのが私の思いでした。「最後に言っておく。今度、やったら自分はもう破滅だと思った方がいい。一番苦しいのはお父さんやお母さんではない。お前自身なんだぞ。自分で今、何をしでかしたのかをしっかり自覚することだ。嘘というのは、自分にも嘘をついていることになるんだぞ。嘘の上塗りの始まりってやつだ…」

どこまで理解したのかは今もってはっきりとは分かりません。ただ、この後、息子は運良く次なる大企業に見事パスし、真面目な生活を送っていることだけは間違いありません。

通帳管理は私と本人との二人で同時に。出費理由の記載もしっかり続いています。預金残高も3桁にまで跳ね上がっています。目標は来年の夏、喉から手が出るほど欲しかった車を買うこと。おまけに彼女まで欲しいとか。この車で一緒にドライブに行きたいとも…。

「とにかく自分でしっかり予算管理ができるようになれ」。どこまでも親馬鹿かもしれませんが、本当の親馬鹿に徹したい…。即ち、息子の気持ち、心、立場に立って考えられる自分、父親になりたいと思っているのです。

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