放置子がいたらどう接したら良い?仲良しになってしまった場合の改善策とNG行為を知っておこう!
子供を公園や児童館に連れて行くとたまに同学年くらいの子供が一人で来ているというケースがありますよね。
一時的に一人できたのか、慢性的に親が面倒を見るのを辞めているのかにもよって違ってきますが、その子が放置子となるといろいろと事前に知っておいたほうが良い事もあります。
放置子と仲良くなってしまうと、放置子はその寂しさの反動からまるで実際の家族かのように依存してくるものです。
当初は「可愛そうだから」と思って優しくすることでしょう。
しかし、その気持ちは放置子は素直に、むしろ「素直過ぎる」くらいに受け止めてしまいます。大人であれば「申し訳ない」という気持ちも出てくるものですが、子供の場合、わびさびが分かりません。
そこで放置子と仲良しになってしまった場合、どのように対処するのが良いのでしょうか。
目次
放置子との接し方を知っておこう
放置子は決して悪気があって依存してくる訳ではありません。実の親にはない居心地の良さを感じているので甘えているだけです。
つまり、「居心地の悪さ」を感じると依存心が薄れていきます。親としても子供と仲良しだからと情が入るのもよく分かるのですが、決して家族ではありません。
むしろ情をかければかけるほど、相手は「居ても良いんだ」となりますので、厳しいようですが、どこかでしっかりと線引きをしなければなりません。
子供との会話を増やす
放置子と子供が仲良くしていると、気を使ってしまうものです。邪魔をしないように、二人の仲を壊さないようにと。
親としては子供の仲良しの相手を良くしてあげたいという気持ちもよく分かりますが、そのおかげで放置子が居付いてしまうようでは本末転倒です。
そこで、放置子がいても我が子に積極的に話しかけるとよいでしょう。
なぜなら、ここで「親子」という関係を匂わせることができます。放置子が居付いてしまった理由として、居心地の良さがありますがなぜ居心地が良いのかといえば自分にはない親の居心地の良さを感じているからです。
自分の親には放置されているものの、友達の親は自分に気を使ってくれている。この気持ちが放置子が居付いてしまう理由です。
そこで、二人の関係を気にすることなく子供に話しかけることで、放置子としても次第に居心地の悪さを感じるようになります。自分にはない「親の温もり」を自分の仲良しの相手が感じているとすれば、親子の会話は居心地の悪いものとなります。
また、それ以上にその場のペースを親が持っているという事を明らかにしておく事でその後付きまとわれたりするリスクを軽減することにも繋がります。
放置子の相手は過剰にしない
放置子に対しての不憫な点があるのはよく分かります。
しかし、そこで優しくするとどうしてもその雰囲気の良さに居心地の良さを感じて居付いてしまうのが放置子の厄介な点です。そこで、あまり相手をしないよう努めるのも有効な手段です。
なぜなら、相手をしないことで「自分の親と変わらない」と思うからです。
放置子は親に相手にされていませんので、大人に相手をされると内心ではとても嬉しいのです。
やはりまだまだ子供です。大人に相手をしてもらうことでとても嬉しいですし、嬉しいからこそ居心地の良さを感じてしまうのです。
つまり、相手をしなければ居心地の良さを感じないどころか、むしろ「自分の親と同じ」と感じるようになるでしょう。
同情してしまう気持ちはよく分かります。しかし、中途半端な同情で大きな迷惑をこうむることになってしまうのも事実です。
少し声をかけただけでも親に相手をされることに飢えている放置子としてはとってもありがたいことと感じてしまいますので、「無視」を決め込むのも良いでしょう。心が痛むかもしれませんが、多少の罪悪感が自分の家庭に大きな迷惑を及ぼすことになっているとすれば大問題です。
「相手は子供だし」と思っても、その「子供」に家庭が大きな負担を与えられているとすれば、やはりしっかりと対処しなければなりません。
時間を区切る・ペースを握る
可愛そうだからと「いつまでもいて良いよ」というスタンスは危険です。それよりも、しっかりと時間を区切るよう心掛けましょう。
「もう晩御飯の時間だから」「これから息子は勉強するから」など、「もう終わり」ということを伝えましょう。
放置子は高い確率で「家に帰っても誰もいないし」と言いますが、そこで情にほだされて「いつまでもいて良いよ」では解決になりません。
かわいそうではありますが、そもそも放置子となってしまった理由は自分ではなく相手の親です。自分たちにも生活がある以上、可哀想だとは思ってもやはりどこかで「線」を引かなければなりません。
そのためには晩御飯は有効な手段です。
「そろそろうちは晩御飯だから」と伝えることにはいくつかの意味が含まれています。一つは「貴方には晩御飯を出しません」という意味。そして「もう一緒の時間は終わり」という意味。
直接言葉にするわけではないにせよ、この二つの意味を内包することによって放置子も何となく居心地の悪さを感じることでしょう。
また、施設内であれば、スタッフや管理者に一言伝えてから帰るようにしてあげると良いと思います。
元気そうな子であれば良いのですが、放置だけでなく虐待等も考えられるケースの場合は、きちんと通報してあげる事も大切です。
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放置子にしてはいけないことも覚えておこう
放置子とはなるべく接しない方が良いのですが、子供と仲良しである以上、どうしても接することがあるのも事実。そこで、放置子とはどのように接するのかだけではなく「これは控えるべき」という点も覚えておきましょう。
放置子に対して過剰に感情移入しない
笑顔とは子供にとってはまさに「癒し」そのものです。
どんな子供でも「親」を含めた他人からの癒しを求めているものです。それだけに、安易に笑顔を見せると「この人になら甘えても大丈夫」との気持ちを与えてしまいます。
大人として子供相手に笑顔を見せるのは配慮だと考える気持ちはよく分かります。しかし、結果として放置子を増長させてしまうことにもなりかねません。
子供にではなく、子供の親の方に居心地の良さを覚えて懐いてしまうケースは決して珍しくはありませんので、安易に笑顔で「癒し」を与えるべきではありません。
当初はどうしても気を使って笑顔を見せてしまいがちだとは思いますが、「まずいな」と思ってからは笑顔を見せないようにするだけでも効果はあります。子供は感受性が豊かなので、笑顔を見せるだけで「許されている」「受け入れられている」と感じてしまうものです。
相手に安心感を与えるために笑顔を向けることもあると思いますが、放置子相手には結局は自分の首を絞めることになってしまいますので、そのようなことにならないよう笑顔は見せないようにすべきです。
必要以上に目を合わせない
これも大切です。少々冷たい印象ではありますが、放置子にとって目を見られることそのものがありません。そのため、大人と目が合うとそこでも「自分が受け入れられている」と錯覚してしまいがちです。
決して優しくしたいとか甘やかすということではなく、ただ相手を見るだけのつもりで目を合わせたとしても、結局は相手は「受け入れられている」と錯覚してしまいます。
相手の目も見ないで話すのは抵抗があるかもしれませんが、放置子への対策としては覚えておくべきことです。
自分の子供を抜きにした会話に付き合わない
放置子の会話に付き合わないことも大切です。
放置子は口が上手な子が多い傾向にあります。そのため、何かと話しかけてくることも多いです。「友達の親」というスタンスではなく、まるで友人のように付き合ってくるケースさえあります。
しかし、そのような際会話に付き合わないことも大切です。話しかけられても無視しろとまでは言いませんが、先の二つの「笑顔を見せない」「目を合わせない」と共に、会話に付き合わないことも大切です。
会話に付き合ってしまうと、放置子は「この人は付き合ってくれる人」と認識してそこからさらにエスカレートしてしまいます。これでは本末転倒なので、話しかけられても冷たくあしらうくらいのスタンスを徹底しておきましょう。
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できることは?放置子対策もあります
放置子の問題は個人では限界があると感じている人もいるのではないでしょうか。
また、個人での対策の場合、さすがに少々気が引けるという方も。子供と仲良しだからこそ、余計罪悪感が出てしまうケースもあるかと思いますが、その場合はどのような解決策が良いのかも知っておきましょう。
ただ単に追い返さない
いざ放置子が自分の家に来てしまうようになった場合、それを改善させるのもなかなか難しいですよね。人によっては朝の6時半から子供が家に来てしまう、追い返してもなかなか帰ろうとしない、などということを経験したことがある人もいるでしょう。このようになってしまうととにかくうっとうしく感じてしまい、子供を追い返そうとする人も出てくるかもしれません。
確かに子供に来られてしまう側にとっては非常に厄介な話ではありますが、親からあまり関心を持ってもらえない子供にとっては、「自分の面倒見てくれる人」に出会った後でその人から追い返されてしまうと、心に大きな傷を負うことになります。非常に厄介ですし、面倒であることがわかります。
しかし、それは子供の責任ではありません。子供にとってはやっと自分に関心を持ってくれる人に出会ったにも関わらず、その人から追い返されてしまったら人を信用できなくなってしまいます。ですから、むやみに追い返す、その子供を怒鳴る、という事はしないようにしましょう。
児童相談所への報告
行政に頼るのも手です。どれだけ個人で対策を行ったとしても抜本的な対策にはなりません。
本気で相手の家族に問題に向き合ってもらい、解決をと考えたら放置子に対してあれこれするのではなく、児童相談所に報告して家庭環境そのものを見直してもらうしかありません。
近年児童相談所は積極的です。子供に対しての問題に積極的に動くようになっていますので、放置子で悩んでいるのであれば自分で判断するのではなく、初めから児童相談所に相談するのも良いでしょう。
何も起こっていないのに通報するなんて良いのか、と不安に思う人もいるかもしれませんね。確かに、警察や児童相談所は正直なところ、何かが起こってから初めて対応してくれる、ということがあります。何も起こっていないにもかかわらず、確証がないにも関わらず、警察や児童相談所は動くことができないということも少なくは無いのです。
しかし、夜遅くまで子供が1人で遊んでいるというのは子供のためにはなりません。また、その子供が他の家庭にトラブルをもたらしてしまえば、さらにその子供が憎まれてしまう結果となり、それは健全な教育環境とは言えないのです。ですから放置子に困ったとなったら児童相談所に通報するようにしましょう。
学校に相談するのもあり
もしもその子供の名前が分かっているのであれば学校に相談しても良いでしょう。小学校の場合、担任の先生が気にかけてくれることがあります。親身になって相談に乗ってくれると共に、学校に相談することで問題が顕在化します。
放置子の問題は表面化が難しく、さらには明確な基準もありませんのでどこからが放置子なのかが分かりません。
また、ただの放置子であれば良いものの、迷惑を被っているとなれば話も変わってくるのではないでしょうか。それらを考えた時、学校に相談することで問題が顕在化します。
自分だけで考えてもなかなか結論が出ませんが、学校に相談することで学校は必ず親に連絡を入れます。自分たちだけで解決するのは決して簡単ではありませんが、学校が入れば第三者が入り、少なくとも放置子をそのままにすることにはなりません。
親に直接相談するという方法もありますが、そのような放置子を黙認している家庭の親に常識があると考えてはいけません。むしろ、あなたのことを避けようとしたり、嫌がらせを受けたりなど、むしろ大きなトラブルに発展しないとも言い切れません。
ですから、確かに放置子を連れてその子供の家に行くという方法もありますが、それは安全とは言えないのです。もちろんそれでも問題がないような状況であれば本来は親と話し合うのが1番ですが、それが最善ではない可能性があるということも覚えておきましょう。
その上でまず1番相談できる対象になるのは学校です。学校であれば保護者の職業などもよくわかっているでしょうから、解決に応じてくれるかもしれません。ただし、学校側も困っているという状態の場合は助けてもらえない場合もあります。
地域で子供を見守る
いくら放置子を出さないようにしても、そのような非常識な親がいれば、その非常識な親の子供は被害を被ることになります。ですから、本来は自分で自分の子供を守るべきではあるのですが、その常識が通用しない親もいるものです。
ですから、そのような子供を出さないために、地域で子供を見守ることが大切になります。大人の目が届くところに子供を置いておく、親同士が知り合っておく、親や地域が協力状態にある、などということが子供を放置子にしないようにすることができるのです。
民生委員などに相談する
地域で子供育てるということに似通っていますが、最近ではどの地域でも民生委員などが活躍していますよね。これはどのように放置子という問題を解消するかということにも似ていますが、地域ごとで子供を見守るだけではなく、可能であれば民生委員など、市役所に通じる人間がいるところに相談してみても良いかもしれません。
児童相談所なども同じですが、ただ相談するだけでは「何も起こっていない」などと言われてしまう可能性があります。
しかし、民生委員は地域に通じていますし、同時に市役所にも通じています。放置子という問題は彼らにとっては決して無視できない問題です。
ですから、何かが起こったときに相談するという事だけではなく、普段から民生委員等の活動を共にし、どのような子供がいるのか、どのような家庭環境が存在するのか、ということを把握することも重要です。普段から連絡を取り合い、どのような子供がいるのかということを知っておくだけでもトラブルを防ぐことが可能となります。
自分の問題じゃないから、と思って放置子を無視しないようにしましょう。成長過程である子供には大人からの愛情が必要です。そのようなものを得ることなく大きくなってしまえば、精神的に正常な発達ができないこともありますし、そもそも放置子ということでトラブルを大きくしてしまう可能性もあるのです。困っているのは自分じゃない、と見知らぬふりをしてはいけません。
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被害があるなら警察もあり
放置子と言っても様々ですが、少々大げさですが「被害」があるなら警察を呼ぶのもありです。
例えば急に何も言わずに家に入ってくる、家の物を壊す…。放置子本人にとっては悪気はないかもしれませんが、当事者にとっては「被害」そのものです。この場合、警察を呼ぶのも良いでしょう。
警察としても戸惑うことですが、事情を話せばしっかりと対処してくれます。
特に被害がある場合は警察としても子供相手ではあっても対処しなければなりませんので「実害」が少々エスカレートしているのであれば警察に委ねるのも良いでしょう。
もっとも、警察の場合は児童相談所以上に「何も起こっていない」と言われて終わってしまう可能性もあります。虐待などでも児童相談所や警察に通報していたにもかかわらずトラブルとなり、子供が殺されてしまった、などというケースは少なからずあるものです。
しかし、もしも近くに交番などがあるのであればそこに通報するという手段もあるということを覚えておきましょう。情報を共有するという事は非常に大切なのです。
慎重に判断したい所ですが、その子の様子次第では通報してあげたほうが良いケースもあります。
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★まとめ
放置子の問題はとてもデリケートです。改めてですが、こうやって文字に起こすと対策として過剰かなと思うこともあります。
しかしながら、放置子とどのように接して良いのか分からない人の方が圧倒的に多いことでしょう。
そのため、「相手が子供」ということで条件反射的に優しくしてしまう人が多いのも無理のない話ですが、子供の様子がおかしく「放置子なんじゃないか」と思ったら対策を講じるとよいでしょう。
助け合いは社会の基本だとは思いますが、明らかに自立できていない年齢の子供を門限もなく、監視もなく放置している事が問題なのは言うまでもありません。
そして何よりも、自分の子供には責任を持ちましょう。自分たちが仕事などでなかなか家に帰って来れないということがあったとしても、それは自分の都合であり、子供の責任ではありません。
子供も夜遅くまで外で遊ばせておく、他の人の家でお世話になっても焦らない、ということがないようにしなければいけません。