事実婚って日本でも可能?実際の生活や制度が知りたい!
女優の萬田久子さんや歌手の椎名林檎さんが事実婚をしているように、芸能人は非常に事実婚が多いですね。
そもそも事実婚ってテレビ等でも見聞きしますが、日本でも可能なことなのでしょうか?
事実婚という名前のみで実際の生活や制度はどのようになっているのかわからない人も多いことと思います。今回は事実婚について詳しく説明したいと思います。
事実婚とは?定義や生活スタイル
事実婚はそもそもどういう定義なのでしょか?
事実婚の定義は入籍しなくても夫婦と変わらない生活を送っていることをいいます。
一般的には結婚をすると婚姻届を書いて市役所へ提出し、夫婦のどちらかが姓を変えて名乗ることとなります。
しかし近年女性の社会進出等もあり、結婚して姓を変えることに戸惑う人も増加してきました。こうしたことから女性も社会で活躍し経済力を上げるために結婚後もお互いの姓をそのまま名乗りたいと考える人が増え、事実婚も増えてきました。
事実婚はあくまでも男女ともにお互いが籍は入れていないけれど結婚していると言う意識がなければいけません。どちらか片方が結婚したつもりでいてもどちらかは結婚していないと思ったら事実婚とは認められません。
事実婚を認められるには幾つかの条件があります。
1つ目は同居していること。一緒に住んで生活していてなおかつお財布が一緒だと事実婚と認められやすいですね。住民票が一緒だとより事実婚だと考えられます。2つ目は親や兄弟、親族から夫婦の扱いをされていることです。籍は入れていないけれども夫婦だから例えば葬式に呼ばれたり、結婚式に呼ばれたり、夫婦として周りから扱われていることが条件の1つとなります。3つ目は職場で夫婦扱いされることです。何かあれば真っ先に連絡をくれたり、職場の上司等も夫婦扱いするようだと事実婚と言えましょう。
ちなみに事実婚は同居して3年になると事実婚と認められるという話が蔓延していますが、これはありえません。というのもテレビで有名人がそう言っただけで実際は3年経ったから事実婚になると言うことはないのです。あくまでも夫婦としてお互いが生活している意識はあるのか、生活費や家事分担等は一緒のお財布なのか等が重要視されると言うことです。
一緒に住んで例え3年経過していてもどちらかが夫婦と思っていないと法律的にも認められなくなります。その場合はただの同棲となりますのでよく覚えておいてくださいね。
事実婚の生活スタイルは普通の夫婦と同じですね。一緒の家で生活し、一緒の財布を使って生活します。端から見たら苗字が違うだけで夫婦と言えましょう。
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法律上の事実婚に権利や税金は?
法律婚の場合は夫婦として社会保障や相続等も非常にスムーズに行うことができますが、事実婚の場合は少し違うようですね。
まずは法律上の事実婚の権利について紹介します。
事実婚にある権利は以下の通りです。
- 同居して一緒に住み、生活をお互いが支える、日常生活での家事の分担
- 貞操義務
- 生活費の分担
一緒に生活する上で必要な権利ですね。
法律的に結婚しているのと事実婚で大きく違うのは保障ですね。
まず事実婚には相続権がありません。どちらかが亡くなった場合も財産を分与してもらうことができません。もし生前に2人で協力した財産がある場合は裁判所に申し立てをして審査をしてもらった後に財産分与を受けることになります。もし事実婚を考えている人はどちらかが亡くなった後に困らないようにしっかりと遺言を書いておくようにしましょう。
社会保障は遺族補償年金や遺族厚生年金等は事実婚の妻も対象となりますね。
ただし法律婚の配偶者がいるとなるとすんなり社会保障を貰うことはできません。
さらに事実婚の税金を見ていきましょう。
事実婚は所得の配偶者控除や医療費控除を受けることはできません。どんなに所得が低くてもそれぞれの税制でお金を支払わなければいけません。配偶者控除は年間収入が103万円以下の人が行えるもので、医療費控除は家族皆の年間医療費の合計額の一定金額を所得控除を受けられると言うものです。医療費は法律的に結婚していると家族全員の医療費の合計を出すことができますが、事実婚の場合は個人単位になってしまいます。
税金も全て個々と言う考えになりますね。
なぜ事実婚が増えている?
事実婚がなぜ増えているのかと言うと社会に女性がどんどん進出していることが挙げられます。女性もキャリアアップして出世する時代となりました。
法律的に結婚すると苗字が変わったり、家庭が中心の生活になって仕事量を減らさなければいけなくなります。どうしても結婚をして社会的に弱くなるのは女性ですね。キャリアを崩したくない、仕事に支障が出るのが嫌だと考えている男女にとって事実婚は非常に良いものと言えましょう。
事実婚は苗字を変える必要もないし、夫婦で家庭でも仕事でも対等な立場を築いていきやすいと言うメリットがあります。お互いのライフスタイルを崩したくないと考えている人が非常に多い世の中で事実婚が急増しているのです。
また夫婦になって親族間の付き合いやお互いの両親との付き合いが面倒だと思っている若い人もたくさんいます。事実婚だと干渉されることもなく調度良い距離を保って生活できると考えている人が多いために、事実婚が急増していると言えましょう。
現代は忙しい人が非常に多いので、法律的な結婚よりも事実婚の方が気楽で良いと考えている人が多いことでしょう。
事実婚のメリット
事実婚のメリットを紹介します。1つ目は結婚するのに手続きがあまり必要ないと言うことです。法律的に結婚をすると書類もたくさん書くだけでなく、苗字が変わってしまえばクレジットカードやパスポートの名義変更をしなければいけなくなりますね。事実婚は苗字が変わることはないし書類を提出する必要もありません。手続きがないので非常に楽ですね。
2つ目は離婚をしやすいことです。離婚をしても戸籍にバツがつくこともないし、苗字が変わらないので自分から言わない限り離婚をしたことがばれることはありません。離婚届を書くこともないので手間もかからずに離婚をすることができます。
3つ目は束縛もなく精神的に自由だということです。法律的に結婚をしてしまうと親族の付き合いや家事等、特に女性は家庭でも縛られる時間が増加してしまいます。しかし事実婚だとお互いのライフスタイルを崩すこと無く適度な距離を保つことができます。仕事もセーブする必要がなく生活していくことができるのでストレスも溜まりにくいです。
事実婚のデメリット
事実婚は確かに気楽かもしれませんがデメリットもあります。
1つ目は夫婦だと認められにくいことです。苗字が違うので、例えば病院にどちらかが運ばれた時やホテル等へ滞在していて会いに行った時も夫婦だと証明をするまでにかなり時間がかかったりします。夫婦ではなく恋人だと判断され、緊急の際にすぐに動くことができない場合もあります。勿論、法律的にも夫婦だと認められにくいので財産分与等も無いし、税金関係は一切保障はありませんね。もし事実婚をするなら夫婦どちらもそれなりに収入がないと生活していくのに大変なことになります。
2つ目は不安定であると言うことです。婚姻届を出していない分、夫婦とは周りからも認められにくいのでお互いの気持ちが重要となります。もし不貞行為があった場合等にも慰謝料を上手く請求することができなかったりします。
3つ目は理解を得るのが大変ということです。自分の家族や親戚等になぜ婚姻届を出さないのか、どうして事実婚を選んだのか等何度も何度も聞かれることでしょう。周りから理解を得るためには非常に時間がかかってしまいます。色々な人に同じ説明を何度も何度もするのに嫌気がさすと言う人もいます。このように社会的にも認められにくいという大きなデメリットがあります。
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子供が居る場合の事実婚とは
子供をもし事実婚で出産したとなると、出生届を出した時点で母親の子供とみなされます。夫婦2人の子供ではなく、どちらかの子供ということになりますね。もし父親が認知をした場合は父親の欄に父親の名前が書かれることになります。子供の名字も同じで母親の苗字を名乗り、親権は母親が持つという流れになります。
相続面はもし法律的に結婚している奥さんとの間にも子供がいて、事実婚をしている人との間にも子供がいると以前は事実婚側が少なく貰うことになっていました。しかし、現在ではどちらも同等額を貰う権利があると言う風に変わっています。
しかしこれはあくまでも認知をしてもらっている場合のことで、認知をしてもらっていないと遺産等の相続はしてもらうことはできません。もし心配なら父親にきちんと認知をしてもらうようにしましょう。
そして事実婚でも勿論夫婦と同じなので1人親制度は受けられません。シングルで頑張っている人のために国で受けられる保証制度は受けることはできません。
事実婚をしている人が増えてきているので以前は保育園等に子供を預ける場合に詳しく聞かれたりしてきましたが、現在では事実婚も認められてきているので余計な詮索をすることが少なくなってきました。安心して保育園や幼稚園、小学校に預けることができますね。