結婚スタイル

夫婦別姓が増えている?メリットや事情を知っておこう

2018/09/27

導入こそされていないものの、すっかり耳慣れた言葉である「夫婦別姓」。

結婚したら夫婦が同じ名字を名乗るのが日本では義務付けられているのですが、それでも夫婦別姓を選択する夫婦が増えているのだとか!これはどういうことなのでしょう? 

夫婦別姓を通して、今どきの夫婦のスタイルに迫ってみましょう。


夫婦別姓はなぜ増えているの?

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結婚をすると、夫婦のどちらかは必ず名字が変わります。なぜなら、結婚を機に夫婦どちらかの姓を選んで名乗ることが日本の法律で定められているからです。

しかし、この制度を見直す動きがあります。それが、「夫婦別姓」です。

正確にいうと、法律では「姓」や「名字」のことを「氏」と呼んでいるため、「夫婦別姓」ではなく「夫婦別氏」というのが正しい呼び方となります。夫婦別姓が認められるように法律が見直されているといっても、夫婦が必ず別々の姓を名乗らなくてはいけないというわけではありません。

現在検討されているのは「選択的夫婦別氏制度」といい、夫婦どちらかの姓に統一する必要がなくなり、別姓を希望する場合は男性も女性もそれぞれ結婚する前の名字を名乗り続けることができるというもの。ですから、今まで通り結婚を機に名字を変えてもいいし、お互いに旧姓のままで夫婦になることも可能。好きなほうを選べるというわけです。

そもそも、なぜ夫婦別姓を進める動きがあるのでしょうか。法務省は2つの理由をあげています。

ひとつは、結婚で姓が変わると家の名字を名乗る人がいなくなる場合、これが結婚への足かせとなっていること。きょうだいが多かった時代とは違って、今やひとりっ子やきょうだいは女性だけという家庭も多く、こういった事態は少なくありません。もうひとつは、名前が変わると、旧姓と新姓との名前が同一人物であるということがわからなくなること。医師や研究職に就く人は自分が書いた論文がほかの論文に引用されることもあり、名前を変えることが仕事をする上で不都合になることもあるようなのです。

選択的夫婦別氏制度の導入前でも夫婦別姓を実践する夫婦が増えているのは、まさにこういったところに理由があるようなのです。しかし、法律では夫婦別姓が認められていないはずなのに、どうして夫婦別姓ができるのでしょうか。実は、以下のような方法で夫婦別姓を実践しているカップルもいるようなのです。

  1. 婚姻届けを出さずに事実婚
  2. 婚姻届けを出すが離婚し、その後は事実婚として結婚生活を続ける
  3. 婚姻届けを出して本名は夫婦同姓にして、通称として旧姓を使い続ける

夫婦別姓といえども、1と2は戸籍上の夫婦ではありませんし、3は厳密に夫婦別姓とはいえないかもしれません。こうまでして夫婦別姓にするメリットとは、果たして何なのでしょうか。

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夫婦別姓にするメリットは?

結婚をして名字の変わったことがある人なら誰しも、手続きのわずらわしさを感じたことがあることでしょう。運転免許証に銀行口座、クレジットカード、パスポート、仕事で必要な資格の免許…。

名字が変わるというのは結婚したことを実感し幸せにひたれる瞬間ではありますが、同じような手続きを複数の場所で繰り返すわずらわしさの前にため息をつくこともあるでしょう。

夫婦別姓なら名前を変える必要がなく、改姓による手続きの面倒が省けるということは大きなメリットになるはずです。

また、夫婦別姓にすることで男女の不平等感が払拭されること期待できます。結婚後、男性が女性の姓を名乗ってもいいのですが、96.2%もの女性が夫の姓を名乗る選択をしてきました。(厚生労働省人口動態調査2013年)今や女性だって社会に出てバリバリと働く時代。妻の居場所は家庭だけではありません。社会での立場があり、名前が変わることで支障をきたすことだってあるのです。

実際に、働く女性を対象に選択的夫婦別姓制度について調査したところ、賛成が77%、反対が23%という結果でした。(日本経済新聞社による20代から50代の働く女性1000人へのインターネットアンケート)

法務省が提示するように、結婚して姓が変わってしまうと自分のことを認識してもらえなくなるという可能性もあります。結婚後の生活も大切ですが、結婚するまでに歩んできた自分の人生だって大切。結婚後も旧姓を使い続ける既婚女性のデータがあります。

1.職場で旧姓を使用している既婚女性の割合
20代 24.4%、30代 19%、40代 10.3%

2.Facebookで旧姓を使用している既婚女性の割合
20代 42.0%、30代 27.5%、40代 26.2%、50代13.2%
(2013年 オウチーノ総研「既婚女性の『新姓・旧姓の使用』に関するアンケート調査」)

結婚後も働き続ける女性は多く、名字が変わったことを社内外に報告する手間から仕事では旧姓を使い続ける人も多いようです。また、懐かしい友人との再会はネット上であることも珍しくありません。名前で判断するネット上では、名前が変わらなければ懐かしい友人と繋がるチャンスを逃すこともありませんね。

夫婦別姓にすると困ることは?

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この世に生を受けてからずっと使ってきた名字と名前には少なからず愛着があるもの。名前を変えることなく、好きな相手と結婚できるというのは夫婦別姓の魅力ではありますが、やはりデメリットもあります。

夫婦別姓のために入籍せずに事実婚を選んだ場合、相続権がない、税金の配偶者控除や給与の扶養手当などの優遇措置が受けられない、もっとも身近なところでは携帯電話の家族割引が利用できないことがあるなどのデメリットが生じます。

しかし、こういった不便さも理解したうえで夫婦別姓にするために事実婚を選んだカップルも、子どもができると壁にぶつかるようです。婚姻関係にないカップルから生まれた子どもは、非嫡出子となります。子どもが非嫡出子の場合、認知を受けていなければ財産の相続権がありません。認知されていても非嫡出子のほかに嫡出子がいた場合、法定相続分が嫡出子の半分になるという格差もかつてはありました。

そのせいか、子どもの誕生を機に婚姻届けを提出して事実婚を終わらせたり、入籍後にすぐ離婚して夫婦別姓を貫いたりするカップルもいるようです。自分たちの選択によって自分たちが不都合を被るのは仕方がなくても、子どもには不都合な思いをさせたくないということなのでしょうか。また、子どもに父親と母親のどちらの姓を名乗らせるかというのも問題にあがります。夫婦別姓を選んだ当人たちはこう考えることはないかもしれませんが、ひとつの家族でありながら違う姓であるのは家族がバラバラであると感じる人も少なくないようです。

こういった世間に対し、夫婦別姓であるということを説明し理解を求めるために相当な労力が必要だと想像できます。

夫婦別姓とまではいかなくても、結婚後も旧姓を通称として働き続ける女性は多くいます。使い慣れた旧姓で仕事を続けることは、本人だけではなく社内外でも浸透した名前であることから結婚後もスムーズに仕事が進められるでしょう。

しかし、メールアドレスや名刺など旧姓のまま使用していても問題ないものがある中で、新姓で記載しなければいけない書類もあります。その場合、署名する名前や印鑑を使い分けるのには慣れるまでは面倒でしょうし、あまり馴染みのない新姓が記載された書類を見た周囲の人が、誰のことだがわからなくて混乱してしまうこともあるでしょう。

ひとりの人間がふたつの名前を使い分けるのには面倒もつきまとうようです。そして、旧姓を使っていて困るのが、結婚で名字が変わってしまうと旧姓での身分を証明するものが意外とないということ。仕事で必要な資格でも、免許に記載される名前は戸籍名であることがほとんど。普段旧姓で仕事をしている人が戸籍名の記載された証明書を出しても、同一人物であると正確には証明できません。

また、不在時に自宅に配達された旧姓宛ての郵便物や宅配便を窓口で受け取る際も、やはり身分を証明するものがなくて受け取れない場合も。このような不便さを解消するため、公的な身分証明書であるマイナンバーカードや住民票に旧姓を併記できるようにするというニュースが2016年8月に報じられました。導入のため整備を始めるのが2017年からとのことなので、実際に旧姓を記載できるようになる時期は未定のようですが、旧姓を名乗りたいけれど戸籍の名前までは別である必要はないという人たちとって、旧姓での身分証明ができるツールができるのは朗報だといえるでしょう。

法律で認められてはいないため、まだまだ不便なことの多い夫婦別姓。

選択的夫婦別氏制度については平成8年から今日まで20年も検討され続けているものの、導入されるにはまだ至っていません。本当の意味での夫婦別姓が実現するのは、ひょっとしたらまだまだ先のことかもしれません。

それでも、さまざまな障壁があることがわかっていながら夫婦別姓を選ぶカップルが多いということは、これまでの夫婦の形だと数多くの不都合があるということなのでしょう。
多様化する家族の形に対応すべく、日本という国がこれから大きく変わるのかもしれませんね。

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