夫婦生活

夫に家事はどこまでお願いする?気分よく分担する為の方法

気合を入れてやろうと思えば奥深く、いろいろとやるべきことがある家事。

育児や仕事と両立しなければならないのも、家事の大変なところです。お金がもらえるわけではないし、昇進といった社会的な名誉も得られません。

見返りといえば、大好きな家族の笑顔だったり、感謝の言葉だったりするわけです。でも、それさえも得られなかったら!? 

現代の家庭において最も大きな悩みと言えば、「夫婦間での家事分担」という方々も多くいらっしゃると思います。

そこで今回は、共働きの夫婦とパートナーのどちらかが専業で家事をこなす場合に分けて、不満が募りにくいおすすめの分担方法を紹介していきます。


夫は家事に対してこう考えているらしい!

家事への意識

旭化成ホームズ共働き家族研究所の「いまどき30代夫の家事識参加の実態と意識」調査では、夫たちを3つのタイプに分類し、それぞれの家事に対する意識を明らかにしています。

全ての家事や育児を積極的にこなすパパ:「スゴカジパパ」
育児中心に関わり、一部の家事への関わりが低いパパ:「チョイカジパパ」
家事も育児もほとんどやらないパパ:「ノンカジパパ」

<夫の家事に対する意識>
スゴカジパパ

1位 「家事はその内容によって夫婦で得意なほうがやればよい」 70.6%
2位 「父親が家事をするのは子どもに良い影響がある」 65.9%
3位 「家事をすることは、家族の中での自分の大事な役割である」 56.3%
4位 「家事は楽しみながら行うものである」 54.8%
5位 「家事は家族がコミュニケーションを取る方法の1つである」 50.8%

チョイカジパパ

1位 「家事はその内容によって夫婦で得意なほうがやればよい 」64.8%
2位 「父親が家事をするのは子どもに良い影響がある」 65.9%
3位 「家事は自分のやり方・流儀を大事にしている」 46.7%
4位 「家事は楽しみながら行うものである」 45.7%
5位 「家事は家族がコミュニケーションを取る方法の1つである」 43.2%

ノンカジパパ

1位 「家事はその内容によって夫婦で得意なほうがやればよい」 45.7%
2位 「家事は女性がするものだと思う」 36.6%
3位 「自分の家事に自信がない」 36.0%
4位 「父親が家事をするのは子どもに良い影響がある」 34.3%
5位 「家事は楽しみながら行うものである」 28.6%

(調査対象:フルタイム共働き家族または専業主婦家族、調査時期:2014年3月、N数:30~69歳の男女999名)

特徴的なのは、どのタイプでも「家事はその内容によって夫婦で得意なほうがやればよい」が1位となっている点です。

「スゴカジパパ」と「チョイカジパパ」では、ランクインした項目にほとんど違いはありませんが「チョイカジパパ」では「家事は自分のやり方・流儀を大事にしている」という意見が第3位に上がっています。その代わり「スゴカジパパ」で3位だった「家事をすることは、家族の中での自分の大事な役割である」がランク外となりました。

つまり「チョイカジパパ」を「スゴカジパパ」に近づけるためには「家事は自分のやり方・流儀を大事にしている」という意思を尊重しつつ「家事をすることは、家族の中での自分の大事な役割である」という承認欲求を刺激する必要がありそうです。

また「ノンカジパパ」では他のタイプではランクインしなかった「家事は女性がするものだと思う」「自分の家事に自信がない」という項目が2位と3位にランクインしています。家事に対する前向きな項目では、どれも「スゴカジパパ」の賛同率が最も高いのですが、この2つの項目に関しては「ノンカジパパ」の賛同率が最も高くなりました。

「家事は女性がするものだと思う」
ノンカジパパ:36.6%
チョイカジパパ:19.6%
スゴカジパパ:14.3%

「自分の家事に自信がない」
ノンカジパパ:36.0%
チョイカジパパ:32.2%
スゴカジパパ:23.8%

つまり「ノンカジパパ」を「チョイカジパパ」や「スゴカジパパ」に近づけるためには、この2つの意識を変える必要がありそうです。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

夫が家事のやる気を下げるNGワードはこれ。

家事のやる気

夫に家事をやる気になってもらうためには、夫のやり方を尊重しつつ、家族の役に立っているという承認欲求を満たすことが大切です。そのためには下記のようなNGワードに注意しましょう!

家事マイルールの押し付け

自分とやり方が違うと何かと指摘したくなりますが、夫にしてみれば「そんなの聞いていないし!」ということだったり、ルールが細かすぎたりする可能性が。もしルールを覚えてもらいたいのであれば、相手が覚えやすいように工夫したり、言い方に気をつけましょう。

家事のダメ出し

夫の家事でよくありがちなのが、中途半端な仕上がりです。「二度手間なんだけど!」とイライラしてしまう気持ちもわかりますが、一からやるよりは細かいところをフォローするほうが楽ですよね。男性は細かいことが苦手と割り切ってしまったほうが、心穏やかでいられます。

家事をやって当たり前!というニュアンス

共働き家庭も増え、家事は夫婦が協力してやるものになりましたよね。だからといって「私も仕事してるんだから、男だって家事をやって当たり前でしょ」という態度を取るのはNGです。自分だって、やって当たり前と思われるより「いつもありがとう」って言ってもらえるほうが嬉しいですよね。夫婦互いに感謝の気持ちを忘れずにいたいものです。

自分のほうが大変だ!アピール

時間にも心にも余裕がない状態だと、その気持ちをわかってほしくてつい「自分のほうが大変だ」アピールをしてしまいがち。でも誰だって、それなりにがんばって毎日を過ごしています。

こちらには見えていない大変さだってあるかもしれません。それにも関わらず、自分のほうが大変だアピールをしてしまうと、相手のがんばりを否定することになります。不毛なアピール合戦に陥り、互いに自尊心を傷つけ合わないようにしましょう。

我慢していると負担は大きくなる

この記事を読んでいる方は、すでに家事の負担のことで不満をお持ちの方も多いと思います。

しかし、このままあなたが我慢をし続けていると今後様々な出来事が起きた時に夫婦二人で、または家族みんなが足並みをそろえることがどんどん難しくなってしまいます。

子供が大きくなってきたときには進路や進学費用、反抗期を迎える年齢になったときには子供との接し方などの問題が出てきます。

また、自分やパートナーの両親が高齢になったときには介護や葬儀の事も考えておく必要があります。

しかし、今と同じように片方だけに家事の負担が大きいまま放置していると、いざそういう場面になったときパートナーの態度が「家のことはお前の領分だろ」「自分の方が収入があるのだからそれぐらい自分でやって」と言った風になげやりになったり横暴な態度になってしまうことが多くあります。

現状、夫婦間の問題が家事の負担量だけであったとしても早急に解決しておくべきなのです。

次に夫婦間の家事分担を上手にするコツを、主婦や主夫がいる家庭の場合と共働きの家庭の場合に分けて紹介していきます。

主婦または主夫のいる家庭の場合

まず、共働きと専業主婦または主夫がいる場合で共通する不満である、お勤めの時間や給料が多い方が「普段自分は仕事で忙しいのだから家事はパートナーがするべき」という不満です。
これは家族の大黒柱として働きに出ている方としては、もっともな言い分だと言えます。

しかし一概には言えませんが、専業で家事をする時間は掃除や洗濯、買い物に料理など全て合算するとかなり膨大な時間になります。ここに子育ても加わるとその負担はかなりのものになることは明白です。

このような場合、大黒柱として働きに出ている方も専業で家事に専念する方もお互いにねぎらい合うことが重要なポイントになります。

家事分担に不満を抱えている方の多くは、普段の生活で疲れているのだから家族やパートナー相手にそこまで気を使いたくないという考えをお持ちの方が多くいらっしゃいます。

しかし、カウンセラー経験のある筆者としては、家族やパートナーにこそ最も気配り気遣いをしてあげてほしいのです。

子供のいる家庭はもちろん、夫婦関係というのは恋人と異なり、役所に書類を提出し公的に認められている婚姻という一種の契約です。

サラリーマンやアルバイトとして雇用契約を交わした方は良くわかると思いますが、契約を解除するには結構な手間が必要になります。家事分担の不満が原因で離婚を決断したとしても、離婚調停の場で最初に和解を勧められるのが関の山です。

家族を持って子育てをするのが普遍的な幸せと多くの方が考えている日本社会では、その程度のことでは中々離婚させてくれないということです。そうはいっても、当人達からすると大きな問題です。

家事分担の差から、負担の大きい方は休む暇もない方や趣味やお友達との交流に充てる時間や体力が残っていないことも少なくないでしょう。

ここで問題なのは夫婦間、または家族間での家事に対する意識の差です。主婦や主夫のいる家庭では普段はたらきに出ている方は、家事はパートナーの領分だと考えている方が多いです。

また、家事に専念している方も、休みの日ぐらい手伝ってくれても良いのにと考えてしまうものです。この場合、普段からお互いにねぎらい合い感謝を伝え合うことが重要です。とは言っても、お互いの大変さを理解するのは難しいものがあるので、筆者がおすすめしたいのはお互いの立場を一日だけ交換してみることです。

普段お勤めに出ている方は休みの日、できれば有給休暇を取って平日に家事を全て担当する。

その間に普段家事に専念している方は、一日だけ単発のアルバイトや在宅でできる仕事に専念してみるといった方法です。

これなら家事の大変さや普段からしてくれている細やかな気配りに気付くことができますし、働きに出てお金を稼ぐことがいかに大変さや疲労も理解できます。

家事分担の不満の主な原因はお互いへの無理解や配慮の無さが大きいですが、普通に暮らしていてはそれを理解するのは難しいことが多いです。

上で紹介した一日だけの役割交代をすれば、普段の生活でのお互いのつらさやしんどさを理解できるので、普段の生活での気遣い気配りに反映させることができるというわけです。

共働き夫婦の家庭の場合

家事分担でもめる場合には、夫婦お互いが働いている共働きの場合も当てはまることが多くあります。共働きの夫婦間でも収入や拘束時間が同じという場合はほとんどありません。

そうなると必然的に収入や拘束時間の少ない方の負担が大きくなってきますよね。

しかし、そんな生活が長く続くと家事の負担の大きな方には不満が溜まり続けてしまいます。

実際、重い掃除機を家中かけて回るのも、買いものにもかなりの体力がいりますので、普段働いた上でこの重労働をこなし続けるのは体力的にしんどいでしょう。この場合も、上で紹介したものと同じように一日だけ家事の負担量を交換することがおすすめです。

また、一週間の内やっておくべき家事をピックアップし、お二人の働いている時間を考慮し分担し合うことが必要です。お二人もの忙しく、どうしても家事にまで手が回らない場合には、通販や家事代行サービスの利用も検討することをおすすめします。

ただ、お金に関わることですので片方の一存で勝手に決めてしまうのではなく、二人で相談しながら利用するか否か決める必要があります。

気持よく家事をやってもらうためのオススメの方法

第2章で上げたNGワードを言わないようにするのはもちろん、下記のような方法もオススメです。

現状の分担状況を可視化する

実は多くの夫が、妻の評価よりも「自分は家事をしている」と思っていることがわかっています。人材会社iDAの「仕事と家庭に関する調査」(※調査対象:全国の20~49歳男女、調査期間:2015/12/1~12/ 3、N数:女性150、男性150)によると「夫が自分で担当している」と答えた家事について、妻が「夫が担当している」と答える率が、夫の自己評価よりも低いことがわかりました。

たとえば「風呂掃除」を自分が担当していると答えた夫が44.7%だったのに対し、夫が担当していると答えた妻は17.3%。他にも洗濯、掃除、皿洗いなど主要な家事のほとんどにおいて、妻の評価のほうが低い結果となっています。そうした認識の違いを改めてもらうためにも、分担状況の可視化は効果的です。ただ注意したいのは「ほら、こんなに私のほうが担当してるでしょ!」とアピールするのが目的ではないこと。

あくまでも、どう効率的に家事をこなしていくのか話し合うためのツールとして使いましょう。ちなみに分担表の書き方には、ベン図や2軸マトリックス図など、さまざまな方法があります。「家事分担表」でネット検索するとさまざまな例が出てきますので、2人に合ったものを探してみてください。 

互いに得意なもの・できそうなことを分担する

第1章では夫が家事をする・しないに関わらず「家事はその内容によって夫婦で得意なほうがやればよい」という夫の意識が高いことがわかりました。では、夫はどのような家事を得意とするのでしょうか? 

同じく旭化成ホームズ共働き家族研究所の「いまどき30代夫の家事識参加の実態と意識」調査では、夫が担当している家事・育児がどんなものかについても調査しています。その結果によると、家事も育児も積極的にこなす「スゴカジパパ」であっても担当率が低い家事がありました。それが下記です。

  • 朝食のしたく
  • 夕食のしたく
  • アイロンがけ
  • トイレ掃除
  • 保育園・幼稚園に持っていくものを準備する

「スゴカジパパ」でも担当していないのであれば、男性が苦手な家事・育児内容と言えるでしょう。

次に「チョイカジパパ」でも担当率が高い家事は下記の通りとなりました。

  • お風呂掃除
  • ゴミ出し

「チョイカジパパ」でも担当しているのであれば、これは夫にマストでやってもらいたい家事と言えるでしょう。
最後に「スゴカジパパ」と「チョイカジパパ」で大きく差がついた家事は下記です。

  • 朝食の後片付け
  • 夕食の後片付け
  • 洗濯をする、干す、とりこむ、たたむ

こちらの家事はやろうと思えば夫にもできる家事。これを担当してもらえるかどうかが勝負です。

子どもを介入させる

ご紹介した通り、どのタイプの夫であっても「父親が家事をするのは子どもにとっていい影響がある」という意識を持つ人が多いことがわかりました。

また「家事は家族がコミュニケーションを取る方法のひとつである」と考えている人も多いことから、家事を通して子どもと関われるように取り計らうと、やる気を刺激できるかもしれません。子どもに褒めてもらうのもいいですね。

ただ、お子様がいる家庭の場合、できるだけ早くにお互いへの不満を解消する必要があります。というのも、子供は大人が思っている以上に夫婦の関係性をよく見ています。

普段から家事をしないパートナーへの不満をもらしたり態度に表わしていると、子供はそれを見て親を尊敬しなくなることもあります。

また、専業で家事をする親の姿を普段から目にしていると、大きくなっても家事は母、または父がするのが当たり前と認識し、なかなか家のことを自分でするようになりません。そうなってしまった場合、家事は主婦や主夫の分担、時間的に余裕のある方の分担という認識のままだと、家事負担の大きい方へさらに大きな負担になってしまうことが明白です。

また、夫婦間にトラブルのある家庭で育った子供は人間不信になったり、感情の発育が上手くいかないこともあり得ます。両親の関係性をみて結婚に憧れを持つようになることもあり得ますし、反対に結婚に希望を見いだすことができなくなる可能性も十分にあり得ます。

自分たちの関係性は、それを育つ子供の将来の夫婦関係にも大きな影響を及ぼすということを理解する必要がありのです。よって、お子様のいる家庭の場合はできるだけ早くに夫婦関係を円満にしておく必要があるのです。

家族の問題は夫婦ふたりだけでなく、親や子供もふくめたみんなの問題です。

些細なことでも大きな問題になることがありますし、家事の負担量のことも他のことへ飛び火する可能性も十分にあります。

家事の負担量のバランスから夫婦のパワーバランスが決まってしまうと、あなたの家族みんなにとって良いことではありません。できるだけ早急にふたりで過ごす時間を増やし、コミュニケーションを密にとれる雰囲気を作れるように意識することをおすすめします。

家事に不満があるのはお互い様

家事の負担が大きい方に不満を貯まるのは当然の話です。

しかし、パートナーにその不満をぶつけたり、態度に出してしまうことでパートナーに不満が溜まってしまうということも覚えておく必要があるでしょう。どんな人間でも仕事終わりや疲れを癒している休日に、パートナーにあからさまに疲れているとアピールされると家でもストレスを感じさせてしまいます。

そうなっては、「こっちは仕事で疲れているんだから」とお決まりの文句を言ってくるでしょうし、より意固地になってしまう可能性もあります。かといって、あなたに家事の負担が大きい現状を放置しておいて良いということではありません。そのままでは、あなたにストレスが溜まり続けてしまうからです。

必要なのは時間の共有

家事の負担量で不満を持つ夫婦間では、他にもほんの些細なことで知らず知らずのうちにお互いイライラさせてしまったり不満を募らせてしまっています。

このような夫婦に必要なのはお互いへの配慮ですが、そのためにもまずは時間を共有することが大事なポイントです。恋人の時はお互いにより好かれたくて、または嫌われないように気を配っていたはずです。

今それと同じようにふるまうのは難しくても、お互いへの配慮は円満な夫婦関係において重要なポイントです。夫婦ふたりでちょっとお出かけしたり、休日に夫婦ふたりで一緒に家の掃除したり、近所のイタリアンなどでランチをともにする程度で十分です。

無理のない範囲で共にする時間を少しずつ増やしていくことで、言葉にしにくいお互いの不満を言い合える空気感を取り戻すことができるのです。

感謝の気持ちを伝える

家族の役に立っているという承認欲求を満たすためには、感謝を言葉にすることが重要です。感謝の言葉が夫婦関係をよくしたり、夫が家事をやる上でのモチベーションになったりすることは、他の調査でも証明されています。なにかにつけて「ありがとう!助かるわ」と言葉に出して伝えてみましょう。

そうは言っても、なかには「家事は女がやるべきだ」という根強い偏見を持った男性もいるかもしれません。そういう男性には、家事や育児を時給換算して見せるのも手かも。労働時間を比較してみてもいいかもしれません。そのとき気を付けたいのは、喧嘩腰にならず「困ってるので、助けてもらえないかな?」というスタンスで話すことです。それでもやってくれないようであれば、もう諦めるしかないのかも…。デザートでも食べてストレス発散しましょう!

みなさんの旦那様が、少しでも「スゴカジパパ」に近づけますように!

●参考URL
旭化成ホームズ株式会社共働き家族研究所調べ『いまどき30代夫の家事参加の実態と意識』
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/kurashi/report/K040.pdf
株式会社株式会社アイ・ディ・アクセス調べ『仕事と家庭に関する調査』
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000010360.html

-夫婦生活