息子や娘が多額の借金を!そんな時に親としてすべき返済・対処方法とは
「生まれ育ったふるさとを離れ、都会の大学に進学して一人暮らしをしていた娘がクレジットカードで数百万の借金を作ってしまった」
「親元を離れて他県で働いていた息子が消費者金融に多額の借金をしていることが判明した」
こんなとき、親であるアナタはどんな行動をとりますか?
大学生の娘がクレジットカードで数百万の借金→自分で使ったお金なのだから、自分で返せばよい?
それも一理ありますが、思いつめた娘さんが借金を返すためにキャバクラやデリヘルなどの水商売・風俗店で働き始めてしまう危険性もありますよね。
「県外で働いていた息子がサラ金から多額の借金をしていた→もう大人なんだから自分自身の責任。すべて働いてコツコツ返せ?」
サラ金の取り立てに音をあげた息子さんが、泥棒や強盗など、犯罪をして借金を返そうとしてしまうおそれがあります。
そこで今回は、「自分の子どもが多額の借金を背負ってしまった場合に、親としてできる最善の対処法」について詳しくご説明いたします。現在、もし、大切な息子さんや娘さんが借金を背負って苦しんでいるようであれば、ぜひ、この記事をご参考になさってみてくださいね。
目次
- 基本は放置。でもケースによっては救いの手をさしのべてあげること
- 子どもが借金をしている事実が判明した場合には必ず連絡を取ること
- 大手や中小以外の「街金融」から子どもがお金を借りている場合には、親が街金融の業者に直接会って返済を行うこと
- 子どもの借金を肩代わりしたあとは、借り入れ先に「二度と自分の子どもにお金を貸さないように」という連絡を入れておくこと
- 借金をしている、もしくはする前の子どもに「お金に困っても犯罪をおかしてはいけない」というアドバイスをしてあげること
- 子どもが「ヤミ金融」からお金を借りてしまったときにはただちに警察と弁護士に連絡を取ること
- 日ごろから子どもが借金をしているかどうかを電話やLINEなどで確認しておくこと
基本は放置。でもケースによっては救いの手をさしのべてあげること
息子さんや娘さんがクレジットカードやサラ金で多額の借金を作ってしまったときには、親御さんが支払ってあげる義務はまったくありません。
よって、自分の子どもが借金を作ってしまった場合でも基本的には放置でOKです。
「自分で作った借金は自分で返す」という道理はたしかにそのとおりでもあります。
しかし、以下のような借金のケースではご両親が救いの手をさしのべる必要があります。
ケース1.「借金額が100万円を超えているとき」
ケース2.「大学生など、定期的に一定以上の収入を得るのがむずかしい場合」
上記2つのケースにおいては、借金をしたご本人が自力で借入金すべてを返済するのはもはや不可能なことがほとんどですので、親として借金を肩代わりしてあげるのが次の項以降でご説明する「まさかのトラブル」を防ぐ目的でも、よりベターな解決方法となります。
子どもが借金をしている事実が判明した場合には必ず連絡を取ること
子どもがクレジットカードやサラ金を利用して多額の借金を作ってしまった、そんなときにはまず何よりも先に、親御さんがお子さんに対して連絡を取るようにしてください。
これは、自分の子どもが借金をしているかどうかの事実確認と、その時点で子どもがどのような心構えを自分の借金に対してもっているかどうかを確認する意味合いがあります。
また、借金をした本人の精神状態についても同時に確認しておかないと、前述したような窃盗行為や強盗といった犯罪行為をおかしてまで、借金を返そうとして「まさかの行動」を取ってしまう危険性があります。
そんな「まさかの行為」をお子さんがしでかす前に、親としてできるかぎりのことをするのが、のちのちのお子さんの将来を考えた場合にもおすすめの対応策となります。
大手や中小以外の「街金融」から子どもがお金を借りている場合には、親が街金融の業者に直接会って返済を行うこと
お子さんが借金をして首が回らない状況になっている場合、自分の子どもがどんな金融機関からどれくらいの金額を借りているか、を確かめるのは非常に重要なポイントとなります。
と言うのも、大手や中小の消費者金融業者や、大手のクレジットカード会社であれば、極端な取り立てを行うことは法規制が整備された現在の日本においてはほとんどありえないため、あわてて早急に借金を肩代わりして返済してあげなくてもそれほど心配する必要はありません。
しかし、いわゆる「街金融」と呼ばれる小さな個人経営の金融業者から子どもがお金を借りてしまっている場合には、なるべく早く親御さんがその街金融業者に直接出向くかお金を支払い、借金全額の返済をしてあげるのがベストな方法と言えます。
その理由は、大手や中小のサラ金である消費者金融業者が自宅に訪問したり連日連夜暴力団のような取り立てを行うことはほとんどないのに対し、街金融と呼ばれる小さな個人経営の金融業者の場合、なりふりかまわず借金の取り立てを行うため、場合によっては取り立てのプレッシャーから金融業者の担当者を殺害してしまう、または自分自身が取り立てのノイローゼで自殺してしまう、といった危険性が高まるためです。
もし、自分の子どもが街金融から借金をしてなおかつ返済能力がとぼしいと判断した場合には、親御さんがいち早く街金融の金融業者に直接連絡を取り、「自分の子どもがいくら街金融に借金をしているのか」を確かめた上で、できるだけ早めに全額を街金融に返済して肩代わりするようにしましょう。
子どもの借金を肩代わりしたあとは、借り入れ先に「二度と自分の子どもにお金を貸さないように」という連絡を入れておくこと
子どもが作ってしまった消費者金融やクレジットカード会社からの借金を親御さんであるあなたが返済してあげた場合、その際には返済を行ったそれぞれの金融業者すべてに対して「自分の子どもが二度とその金融機関からお金を借りることができないように要請する」ことを忘れずに行っておきましょう。
また、金融業者に対して上記の要請を行う際には、メールなどの記録が残る方法でお願いをするか、電話で申し入れる場合には会話の内容を録音しておくようにしましょう。
これで、子どもが借り入れを行った消費者金融やクレジットカードの会社は、建前上は二度とその子どもに貸し出しを行うことができなくなります。
建前上、と書いたのは、消費者金融やクレジットカードは成人であれば基本的にどんな人でも申し込みと借り入れが行えるため、たとえ親御さんが「二度とウチの子どもにお金を貸さないでほしい」と要請しても明確な法的規制は存在しないためです。
しかし、実の親が「子どもにお金を貸さないでほしい」という要請を行った、という事実があれば、金融業者によっては本当にそのお子さんにお金を貸し出さないように措置を取るケースもありますので、お子さんの借金を親御さんが肩代わりしてあげたときには、借金を肩代わりしたすべての金融業者やクレジットカード会社に対して上記の要請を忘れずに行うようにしましょう。
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借金をしている、もしくはする前の子どもに「お金に困っても犯罪をおかしてはいけない」というアドバイスをしてあげること
「お金に困っても犯罪など法律をおかす悪いことをしてはいけない」
これは一見するとごく当たり前のことなのですが、しかし、この「当たり前のこと」が判断できなくなってしまうのが借金のおそろしさです。
現代社会においては、俗悪なマンガや下劣なテレビドラマの影響で「借金取りやサラ金は怖い」というイメージばかりが先行してしまい、「怖い金融業者」から逃げるためについ窃盗行為や強盗、ひったくりなどの犯罪をおかしてしまうケースがあとを絶ちません。
しかし、現代の金融業者は大手や中小の消費者金融であれば社会的にも認識された金融会社であり、また、1980年代の法律改正以降は無理な取り立てを行えなくなっていますので、必要以上にサラ金やクレジットカード業者の取立てをおそれる必要はない、ということをまず、借金をしている自分の息子や娘に伝えてあげるようにしましょう。
その上で、「もし、返済に困っても借金を返すための泥棒や強盗は絶対にするな」という大事なポイントを子どもに教えてあげる必要があります。
ただし、前述したように街金融と呼ばれる個人経営の小さな消費者金融業者から子どもがお金を借りている場合には、法律スレスレの執拗な取り立て行為を業者が行ってくる可能性がありますので、街金融からの借り入れが子どもにある場合にはできるだけ早く親御さんが借金を支払ってあげるようにしてあげてください。
子どもが「ヤミ金融」からお金を借りてしまったときにはただちに警察と弁護士に連絡を取ること
現在、日本社会においてさまざまな問題をひきおこしている「ヤミ金融」。
ヤミ金融とは正式な金融免許を取得せず、10日で10割などの法外な金利をつけてお金を貸し出している違法な金融業者を指します。
ヤミ金融はバックに暴力団がついているケースや暴力団そのものが経営しているヤミ金融も多く、その実体は反社会組織そのもの、とも指摘されている危険な業者です。
このため、もし自分の子どもがヤミ金融からお金を借りていることが明らかになった場合には、お金を借りている子どもに「警察に連絡し、ヤミ金問題に強い弁護士事務所に相談するように」というアドバイスをしておきましょう。
もし、子どもが上記の行動を取ることができないようであれば、親御さんがご自身で警察と弁護士事務所に相談を行うのも良い方法のひとつです。
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日ごろから子どもが借金をしているかどうかを電話やLINEなどで確認しておくこと
親元を離れて暮らしている子どもが大きな借金をしてしまわないようにするためには、日ごろから電話やLINEなどでこまめに連絡を取り、「お金に困っていないか」「借金はするな」「もし借金があれば、正直に言いなさい」など、『親としていつもあなたのことを見守っている』ということを伝えてあげるのが大切です。
上記のようにこまめに連絡を取っていれば、自分の子どもが大きな借金をする前に未然にいち早くその兆候に気づきやすくなります。
普段からお子さんと定期的に連絡を取っておくことが重要です
親元を離れ、成人して別の土地で暮らしていても、自分の子どもはいくつになってもあなたの大切なお子さんであることには変わりありません。
そんな大切なお子さんが借金によって犯罪をおかしてしまう前に、普段からお子さんと定期的に連絡をとっておき、子どもの経済状態について把握するとともに、もし自分の子どもが借金をしてしまっている場合には、金額によっては親として返済を肩代わりしてあげるなど、将来のお子さんのことを考えた行動を取ることを心がけるようにしましょう。