夫婦間のすれ違いの原因と地方移住で見込める関係改善の可能性
家庭内のすれ違いは、最初は些細なことがきっかけであっても、気がついたときには、埋めることのできないほどの溝になることもあります。
夫婦間の愛情も、結婚当初から、次第にさめていくことも、残念ながら少なくはありません。
目次
夫婦間のすれ違いの原因
仕事の忙しさから生じるすれ違い
たとえば、夫婦間のすれ違いで、原因のひとつとして、もっとも多く上げられるのが、お互いの仕事が忙しくなることではないでしょうか。
とくに、20代、30代になると、どうしても職場での仕事の負担も増えてしまいます。また、職場でも、責任のあるポジションを任されることも多くなってきます。こうした環境に身をおくと、意欲的になって、仕事にのめりこんでいく人も珍しくないでしょう。
たとえば、夫が働いて、妻が専業主婦という家庭の場合でも、夫の仕事が忙しく、帰宅が深夜になることも珍しくなくなると、やはり、妻のほうでは、寂しさを募らせることもあるようです。結婚当初は、妻の誕生日や結婚記念日に、プレゼントを贈っていたのに、仕事の忙しさにかまけて、そうしたことをしなくなることも、少なくないようです。
もちろん、家庭のために働いているのですから、夫の側でも、それぐらいのことは我慢してほしいという気持ちも、理解できないではありません。ただ、釣った魚にえさをやらない、といったような態度では、やはり妻の感情を害してしまいます。妻のほうでは、寂しさを募らせることもあるでしょう。人間は、感情的な動物であるといわれています。家庭を維持するために、いくら仕事が必要だと頭ではわかっていても、心情ではうけいれられないということも、往々にしてるのです。
子育ての負担がすれ違いの原因に
それでは、子供がいる夫婦では、このような仕事に端を発するような、すれ違いはおきないのでしょうか。たしかに、昔から「子はかすがい」といわれています。小さな子供がいることで、夫婦関係が円満となることもあるでしょう。
ただ、母親の心情としては、どうしても、子供が第一となってしまいがちです。そのため、母親としては、結婚前のように、父親を異性としてみてくれなくなる、ということも聞くことがあります。
また、最近のように、核家族が増えている現代社会では、父親が仕事をしている間に、母親がたったひとりで育児をしていることも珍しくないと聞きます。大切な子供を生んだ母親といえども、ひとりで、小さい子供の面倒を見ることは、たしかに大変なことです。
こんなときに、父親が仕事ばかりで、子供の面倒をほとんど見ることができないと、母親はひとりで育児のストレスを溜め込んでしまうことになります。そうすると、夫婦のすれ違いの原因にもなりかねません。
共働き夫婦のすれ違い
また、これが共働きの夫婦の場合になると、事情はさらに複雑になります。
これまで、働いていた母親も、出産育児を機会に、仕事をやめなければならないケースもありえます。
また、母親が子育てがひと段落して、職場復帰を果たそうにも、父親のサポートがないと、うまく進まないこともあります。そうすると、専業主婦の場合よりも、共働きの夫婦が子育てをすることのほうが、さらに、母親のストレスは高まるのではないでしょうか。
こうした夫婦のすれ違いを防ぐためにも、最近では、男性の育児休業を奨励している企業も多くあります。母親が職場復帰を果たせるように、男性も積極的に、育児休業を取得することも必要なのではないでしょうか。
また、共働きの夫婦であっても、どちらか片方が、または両方が、在宅勤務が可能な仕事にシフトするというのも、夫婦のすれ違いを防ぐための、有効な手段かもしれません。もちろん、在宅勤務を認めている企業は、IT関連の企業で増え始めているとはいえ、まだ多いとはいえません。また、セキュリティの面から、在宅勤務を認めていない企業もあることでしょう。
そして、職種によっては、在宅勤務ができないこともあるでしょう。はたして、勤務先の職場が、在宅勤務を認めている企業なのかどうか、十分に調べる必要があります。
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夫婦間の関係を改善する工夫
地方移住が関係改善の選択肢に
もうひとつ、共働きの夫婦のすれ違いを防ぐために考えたいのが、都会から地方への移住です。
これは、都会での長時間の通勤、保育園不足による待機児童問題などが、共働きの夫婦のストレスと、子育てにおける頭痛の種となりえるためです。この点、地方であれば、長時間の通勤という問題は、あまりありません。
都会を離れると、移動手段のほとんどが、徒歩であったり、マイカーであったりします。都会のように、電車やバスに長時間揺られて、通勤するということはほとんどありません。このように、職住近接が、地方へ移住することの大きなメリットです。
最近では、人口減少に悩む、地方自治体の多くが、UターンやIターン、または移住の相談会、窓口を都会で開設しています。やはり、子供の教育費や、夫婦の老後などを考えると、夫婦共働きをする必要性は高まっているといえるでしょう。もちろん、都会から地方への移住によって、収入が減る可能性が高いというデメリットも考えられます。
地方に本社をおく企業の場合、全国、または海外への転勤の可能性が少ないこと、また、地方での生活コストが都会と比べて低いことから、給与も都会の企業と比べると、ダウンする可能性も考えられるのです。ただ、その反面、地方では、都会と比べて住居費が、驚くほど低くなります。
たとえば、都内では、ワンルームマンションを借りようと思っても、月の家賃十万円をゆうに超えることも珍しくありません。ところが、地方都市では、月の家賃が十万円もする物件は、よほどの高級マンションや、広壮な一戸建てである場合をのぞいて、ほとんど見られないといっていいのではないでしょうか。
月の家賃が六万円、七万円ほどで、築年数のそれほど新しくない物件であれば、ゆうに3LDKのアパートやマンションも借りることができます。ただ、都会と違って、地方では、電車やバスが発達していないことも少なくありません。そのため、自家用車の購入費用、ガソリンや保険などの維持費も計算に入れなければなりません。
住居費が低い分、移動の費用は、それなりにかかるとみていいのではないでしょうか。移住先が雪国である場合は、さらにスノータイヤの購入費用と、春と冬のタイヤ交換費用も、頭に入れておく必要があります。たしかに、都会では、電車やバスなどの公共交通機関を利用することで、自家用車を持たない世帯も増えているようです。
ただ、地方都市では、駐車場代が、都会と比べて、安く抑えることができます。大都市になると、都心部での駐車場代は、月に1万円以上かかることも珍しくありませんが、地方都市では、中心部であっても、月に数千円ですむことも少なくありません。こうしたことを考えても、都会よりも地方のほうが、生活コストを安く押さえることができます。さらに、都会から地方への移住は、子供の教育を考える上でも、大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。
たとえば、地方では都会のような待機児童の問題がほとんどありません。むしろ、最近の少子化によって、どこの保育園や幼稚園でも、子供を集めることが難しくなるケースもあるほどです。そのため、移住先の地方で、納得のいける保育園や幼稚園を見つけることができれば、安心して共働きを続けることもできます。
子供の教育面の無駄なストレスを排除できる
また、教育費も、都会より地方のほうが、コスト面で有利になることが多いようです。地方でも、県庁所在地となると、教育水準の高い地域も、多くあります。そうした文教地区には、幼稚園から大学までが集住していることも少なくありません。そうした文教地区には、教育や所得水準が高い世帯が集まる傾向にあります。
たとえば、都会では、教育を心配して、公立校よりも私立校に子供を通わせる世帯も珍しくありません。一方で、地方では、公立校でも、教育水準が高く、落ち着いている学校も数多くあります。そうした公立校を選ぶことができれば、都会で私立校に子供を通わせるよりも、教育費の面でも大きなメリットがあるといえます。
とくに、共働きの夫婦では、仕事の忙しさ、通勤などのストレス、子供の保育園が見つからない保育難民などの問題によって、ストレスを抱え、夫婦間のすれ違いにつながることも珍しくないようです。
もしも、夫婦間のすれ違いが生じる芽ができてしまったなら、都会から地方への移住を考えてみるの、夫婦間の関係を変えるひとつのチャンスとなるかもしれません。都会から地方へ移住をするメリットは、これまでに見てきたように、生活や教育コストの面だけではありません。多くの地方都市では、少し足を伸ばせば、海や山で遊ぶこともできます。
たとえば、山でキャンプをするだけでも、普段の生活では、体験できないコミュニケーションの機会となります。夫婦や子供たちと協力しながら、屋外でご飯をつくったり、テントやバンガローなどで寝泊りすることで、お互いの協力関係や信頼感を高めることもできます。
また、登山をすることで、お互いに励ましあうことにもつながります。夫婦や子供たちと協力したり、励ましあったりしながら、山頂を目指すことは、日ごろの生活では味わうことのできない大きな達成感を得ることができるのではないでしょうか。
こうした自然での体験が、夫婦や子供たちとのすれ違いを防ぐ点でも、大きな効果があるのではないでしょうか。また、地方では、民間だけでなく、公共の温泉も、多く整備されています。休日に温泉につかることは、共働きをしている夫婦にとっても、リフレッシュの効果が期待できそうです。
このように、共働きの夫婦にとっては、都会から地方への移住は、夫婦関係の改善にとっても、お互いの人生を見つめなおす意味でも、大きなメリットがあるといえるのではないでしょうか。