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財布は別々な夫婦が増えている?共働き夫婦の円満家計とは

結婚生活を送る上でイチバン大切なことは「愛情」や「信頼」ですが、それと同じくらい大切なのが「お金」のことです。

生活するにはお金が必要。そしてそのお金をいかに管理するかということも、とても重要なことです。夫と妻、どちらがどのように管理するのが最適なのでしょうか?


夫婦の財布を別々にするための基本的なルール

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今や夫婦の共働きは当たり前の時代。厚生労働省の調査によると、18歳未満の子どもがいる家庭のうち、仕事を持つ母親の割合は約68%(厚生労働省『平成27年 国民生活基礎調査の概況』より。この数字にはひとり親家庭も含まれる)。子どもがいる家庭の半分以上の母親が、何らかの仕事を持っているということになります。

このように共働き夫婦が増えている今、夫が稼ぎ、妻が家計を取り仕切るといった前時代的なやり方では、家計管理はうまくいかなくなってきています。そこで、夫婦で財布を別々に管理する方法を考えてみましょう。

ここでまず、世の中の夫婦はどちらが財布の紐を握っているのか、あるアンケートをご紹介しましょう。
「EPARKママこえ」が2015年に実施したアンケートが、こちら。

家計の管理は基本的にどっちがしてる?
ママ 82%
パパ 18%

http://voice.mamakoe.jp/column/4458.html

財布の紐を握っているのは、圧倒的に妻の側でした。妻が仕事をしているかどうかによって多少変わってくるかもしれませんが、「妻が財布の紐を握っている」というのが世の中の多数派のようです。

なぜ妻が家計管理をしているかというと、その理由は大きくふたつあると考えられます。ひとつは「夫に家計管理を任せるのが不安だから」というもの。あればあるだけ使ってしまうからとか、細かい支出を理解していないためドンブリ勘定になってしまいそうだから…というもの。もうひとつは、「妻が家にいることが多いので、必然的に妻が管理している」というもの。

でも忙しい共働き夫婦にとっては、ふたりのお金をひとつの口座にまとめてから、それを生活費に充てるとなると、時間と手間がかかりますよね。効率を第一に考えるなら、別々の財布で管理する方法がおすすめです。

共働き夫婦の家計管理のルール

共働き夫婦は収入源がふたつ! だから管理もふたりで行おう!

ルール1:お互いに情報開示する

できれば自分の収入はお互いに明らかにしておきたいもの。夫(または妻)の収入を知らない、給与明細も見たことがないという家庭もありますが、不測の事態に備えてオープンにしておくのがベターです。「手続き上の理由で初めて夫の源泉徴収票を見たら、自分の思っていた額の数倍の収入があった」なんてこともありますから、たとえ全てをオープンにできなくても、せめて「だいたいこれくらい」という金額は知っておいた方がよいでしょう。

ルール2:月ごと&年間のお金の使い道を把握する

食費や光熱費といった生活費、家賃や住宅ローン、駐車場代やガソリン代など車両維持費、保険の支払い、学校や塾などにかかる子ども教育費など、月ごとにおよその金額がわかる支出と、固定資産税や自動車税、旅行代、家電の買い替えなど含めた年間の支出の両方を洗い出す作業をしましょう。また、どの項目のお金が、どの口座から引き落とされているかも確認しましょう。お互いが思っていたよりも支出額が多かったり、どちらかに負担が偏っていたりといったことが見えてきます。

ルール3:毎月の貯蓄額を決める

財布を別々にしている夫婦にありがちなのが、「貯蓄は相手がしているだろう」と思い込み、フタを開けてみたらほとんど貯蓄をしていなかった…というケース。また、「残ったら貯蓄」というルールの場合、ちょうど欲しかったデジタル家電をつい買ってしまったり、ちょっとぜいたくな外食をしてしまったりして使い切ってしまうことも少なくありません。確実に貯めるには、「毎月○円」と決めて、自動積立などで強制的に貯めてしまいましょう。

ルール4:支出は担当制にする

ひとつの口座にふたりのお金を集めるのは手間ですから、支出の内訳ごとに分担しましょう。分担する際はルール2で洗い出した支出をチェックしながら、どちらかの負担が大きくなりすぎないように分担していきます。「住宅ローンと公共料金は夫、保育料と教育費は妻…」というように、各家庭の状況に応じて決めていきましょう。あとから不公平感が出てこないように、ふたりでよく話し合って納得のいく形で決めるのがポイントです。

ルール5:定期的に見直しを

収入や支出は常に増減する可能性があるので、定期的な見直しは必ず行いましょう。夫の給料は増えているのに負担はそのままだったり、妻の給料は変わらないが分担した項目(教育費など)は年々増えていく、といったことを放置しておくこと、どちらかが無駄遣いをする一方で、どちらかが自由になるお金を削ってストレスをためる…といった事態を引き起こします。「毎年4月と10月に見直しする」というように、時期を決めてチェックしましょう。

お財布を別々に管理するには、まずはこの5つのルールを意識して、それぞれの口座から項目ごとに担当を決めて支払いを負担するようにしていきましょう。

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夫婦の財布を別々にするメリット・デメリット

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財布を別々に管理する際は、そのメリットとデメリットをよく理解しておきましょう。

財布を別々にするメリット

  • 手間がかからず効率的
    ふたりが共通の口座にお金を出し合うという作業がないため、銀行に行ったり、ネットバンキングで預け入れをする時間と手間が省ける。
  • 働くモチベーションが高まる
    基本的には自分の口座は自分で管理するため、「自分で稼いだお金」という意識が強くなり、労働意欲もアップする。
  • 自由に使えるお金が確保できる
    夫と妻、それぞれに小遣い額を決めることで、自分の好きな用途に使えるお金を確実に確保できる。この場合、使い道まではお互い踏み込まないようにする

財布を別々にするデメリット

  • 貯蓄がしにくい
    夫婦別財布の基本は、貯蓄にまわすお金をきっちり確保すること。これを怠ると相手任せになり、あるだけ使って結局は貯蓄ができないという事態に。
  • 収支のバランスが崩れた時に不公平感が出やすい
    住宅購入や子どもの進学、失職や転職、ボーナスカットなどの大幅な減給といった、収支が大きな変化があっても分担がそのままだと、どちらかの負担が増大する。
  • どちらかが働けなくなったとき、大きな意識変革が必要
    出産などで妻が働けなくなった場合、そもそも支出の分担ができなくなる。ひとつの共通財布にするという気持ち的な窮屈さがストレスになることも。

このように、夫婦で別々の財布にすることにはメリットもデメリットもあります。特に、共働きができなくなったときにどうするかということも考慮しておかないと、対応できなくなるので注意が必要です。

家計の管理はどうするべきか

ここまで、共働き夫婦のための「ふたつの財布の紐をふたりで握る」方法をご紹介してきましたが、家計管理にはコレという正解はありません。

家計の担当制は効率が良く、夫婦がお互いに協力的であればうまくいきます。ですが、局所的な視点でとらえてしまうと、「光熱費はオレの担当だから、エアコンはあまり使うな!」とか、「私がガソリン代出しているのに、近所にまで車で行かないで!」といった、不毛な(?)ケンカが勃発することになります。

また、共働き夫婦の家計管理は、実は収支だけの問題ではありません。そこには「家事」という無報酬労働が大きく、深く関わってきます。お互いの収入に応じた支出分担が決まり、それについてはお互い納得した。じゃあ、家事の分はどうなるの?ということです。家事はお金では解決できないことが多く、さらに炊事、洗濯、育児、PTA、町内会、実家や義実家とのやりとり…と、やることが多岐にわたります。

たとえばそれを妻が一手に引き受けているとしたら、「お金の負担は同じなのに、なんだか私だけやることが多い!」と不公平感を感じやすくなってしまうのです。

家事問題を解決するにはいくつか方法があります。ひとつは、家計も家事(育児)も分担する方法。もうひとつは、家事労働分を見越して支出を分担する方法。そしてもうひとつは、収入に余裕があるなら家事代行サービスを利用するという方法です。何かと忙しい共働き夫婦ですが、「仕事」と「家事全般」をこなしながらスムーズに家庭生活を送るためにも、密にコミュニケーションをとってしっかり家計管理を行うことが大切です。

いざというときにアタフタしないためには、収入があるうちに地道に貯めるのが堅実なやり方です。共働きできるときが絶好の貯め時!と考えて、夫婦に最適な家計管理をしてくださいね。

■参考文献
・『共働き夫婦のための「お金の教科書」 やらないと絶対ソンをする「貯め方」「使い方」のルール』 深田晶恵・著  講談社 

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