家庭内別居状態になってしまったらルールや生活費はどうすればいいの?良好な関係に戻るために決まりを作ろう。
今では様々な家族スタイル、夫婦スタイルがありますが、その中でも「家庭内別居」の状態にある家庭はとても増えてきています。
夫婦としての関係は冷めきっていて、離婚したいけどなかなか離婚できない…
離婚できない理由は様々ですが、多くは子供のことやこれまで住んでいる環境を変えることへの仕事などへの影響、お互いの両親や身内などの関係などが理由に挙げられます。
結婚をして家族になり、子供を持つと、夫婦だけの問題ではなくなってくるんですね。それに女性の場合は離婚すると名字が変わることがほとんどです。名字が変わると、そのあとの手続きが本当に大変です。
ましてや子供を連れての離婚となるとなおのこと。そんなとき「離婚」という形をとらなくても家庭内別居という方法もあるのです。
また、スタイルの一つとして知っておきたいのが、別居婚です。「別居してても仲良し夫婦?別居婚のメリットデメリットを知ろう。」も興味があれば見てみてください。
目次
家庭内別居とは?
結婚して数十年が経っている夫婦の間で、会話もない、目を合わせない、食事を取るにも別々の時間で済ませてしまうということが、以外と少なくありません。
そんな夫婦の人達が、世の中に五万といるのです。いわゆる家庭内別居です。
家庭内別居とは、夫婦の関係は冷めきっているけど正式に離婚という形はとらず、そんな関係でも同居を続けている状態のことを言います。
離婚ではないが、事実上の夫婦関係の破綻
家庭内別居とは、夫婦間で様々な理由から、離婚はできないものの、別居することもできないために、同居を続けている夫婦のことを指しています。
家庭内別居は事実状の関係破綻
法律の上では明確な定義はないのですが、離婚訴訟で裁判を起こす時に、離婚を認める理由の1つてして、婚姻関係を続けることが難しい理由があるケースが挙げられます。
その具体的な場面の1つとして、婚姻関係が破たんしていたり、今後、回復の見込みがない時という考え方があります。
このような婚姻関係の破たん状態を、通常では、長い期間、別居をしている状態が多いのですが、同居しているにもが関わらず、家事を協力しあったり、分担しないことや、生活費の負担もないことから、婚姻関係の破綻と見なされることがあります。
仮面夫婦と同じこと?
一方で、世の中には、仮面夫婦というカップルも少なくありません。
身近なところでは、芸能人のように"おしどり夫婦"途呼ばれていながら、実態は画面夫婦のといった関係だったということがあります。
確かに、夫婦の関係が破たんしていながら離婚をしていないという点では、家庭内別居と仮面夫婦は似ています。
しかし、仮面夫婦は、人前で仲の良い夫婦を演じており、家庭内別居は、人前であっても特に仲良く見せる必要がありません。
人前で夫婦2人で出ることも全くないのです。
そのような意味で、仮面夫婦は家庭内別居の中の1つのパターンかもしれません。
どうして家庭内別居を選ぶのか?家庭内別居のメリットとは
何らかの理由で、離婚はしないものの、家庭内別居をどうして選ぶ夫婦がいるのでしょうか?
経済的な理由から
家庭内別居を選択する最も大きな理由は、経済的なことがあります。
家賃・光熱費など、2人がどのように負担するか、協議する必要はあるものの、別居することで、余計な家賃・光熱費などの維持費を各自負ういながら、別居するより費用がかからないということがあります。
また、子供の養育権や親権などを気にしなくても良い、これまで通りお互いに子供と過ごすことができる、財産分与など離婚に伴う手続きをしなくてもよい、というのもある意味経済的な要因が関係しているでしょう。
対外的に世間体
他には、対外的に世間体を保つことができるということを考えて、家庭内別居を選択する夫婦もいます。
特に仮面夫婦を演じている2人にとっては、かなり対面を気にしている場合が多く、外で仲の良い夫婦を演じていることも、この理由が起因していることがあります。
ましてや、多感な時期の子供さんがいる場合なら、父親と母親が同居していることで、悪い影響が少なくなるということも考えられます。
会話のない家族なので、ある程度の問題がありますが、離婚歴のある親より同居していることの方が、子供にとっては、まだ悪い影響を及ぼすことが少ないのかも知れません。
これだけ見れば、家庭内別居のメリットは魅力的なことばかりのように感じます。
家庭内別居のデメリットとは
同じ家に住んでいるためどうしても生活のなかで関りが生まれる、相手へのストレス、心身ともに子供への負担が大きい、互いの身内・親戚関係などへの対応(帰省や冠婚葬祭)などが挙げられます。
やはり家庭内別居とは言えども、冷めきった関係の相手と同じ屋根の下に暮らすことは、それ相応のストレスや負担になりますね。
そしてそのストレスや負担の影響は当事者の夫婦だけではなく、同じく一緒に住んでいる子供たちにも少なからず影響が及ぶことを忘れてはいけません。
潔く離婚を決断できない多くの理由はやはり子供が理由だと思います。
子供のために環境を変えたくない、子供がまだ小さいから、経済的負担を子供にかけたくないなど…子供のためを思っての選択が家庭内別居であるなら、できるだけ子供への影響は少なくしたいですね。
また、相手の顔も見るだけでも苦痛だと感じる夫婦も現実的にいます。
ここまで関係がこじれていたり、冷えきっていると、同じ屋根の下に家にいることが大きなストレスにつなかってしまいます。
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家庭内別居をするうえでのルールはどうするの?
結論から言って、やはり家庭内別居ではきちんとルールを決めておくことをお薦めします。
お互い思いやりすらも持てなくなった相手です。いざという時に揉めることのないように事前に決めておいた方がいいですよ。
食事に関するルール
家庭内別居をしている夫婦の多くは食事は別にしているようです。
台所を使用する曜日を決めていたり、夜は旦那さんは外食と決めていたりするようです。
基本的に台所に旦那さんが入ることはあまり多くないかと思います。それでも一緒に生活するにあたって台所を使う時間を決めておくのは良いほうほうかもしれませんね。
冷蔵庫の使用でも、中に入れるものに名前を書いておいたり置く場所を決めておくなど徹底的にしている方もいるようです。
洗濯に関するルール
洗濯物についてもやはりルールを決めておいた方が良いでしょう。
その他の家事と併せて家事分担をしたうえで、奥様が洗濯を担当するという方法をとっている方や、洗濯機を使用する時間帯や曜日を決めている方もおられます。
嫌な相手の洗濯物ですら触りたくないなんて方は別々にすることをおすすめします。
細かい事ですが、洗濯で使う洗剤などについても共用するのか各自で用意して使うのかも考えておいた方がよいかもしれません。
お風呂に関するルール
これも毎日の生活で欠かせないですよね。
お互い生活リズムもありますから、入る時間帯を決めておくのも良いでしょう。
自分が入ろうとしたときに相手が入っていてストレスの原因になる、なんてことも必ずあるはずです。
掃除に関するルール
洗濯に関するルールでも述べましたが、掃除や洗濯、ゴミ出しなど一般的な家事に関しては担当を分けるか、それぞれにきちんとルールを決めることが必要かと思います。
ですが掃除に関しては、相手の生活スタイルや性格などによっては、喧嘩の原因になりやすいのではないでしょうか?
リビングや台所、トイレやふろ場など共用スペースは必ずありますから、せっかく今日掃除したのに、ここにゴミを置きっぱなしにしている。片づけていない。など小さなことが目につきやすいです。
こればかりはお互いの最低限度の気配りや考え任せになってしまいます…。
休日の過ごし方の関するルール
多くの場合土日祝日は仕事も休みのことが多いと思いますが、その場合の過ごし方にも最低限の取り決めは必要です。
子供がいたり、その子供がまだ小さい場合は特にです。
隔週で子供と過ごす休日を持つようにしたり、どちらかが家で休日を過ごす場合は片方は外出するなど、お互いが納得いく方法で休日を過ごせるようにしたいですね。
車の使用に関するルール
先に述べた休日の過ごし方に関するルールとも共通するかもしれませんが、家に所有する車が一台の場合はその使用方法についてもしっかり決めておかないと喧嘩や揉め事の原因になります。
普段平日は車を使わなくても、休日にどちらが車を使うかによってお互いの休日の過ごし方は変わってきます。
子供の行事などとも併せて考えておく必要があります。
また、車を所有すると避けて通れないのが税金や車検、ガソリン代などの維持費の問題です。使用頻度によって負担割合を決めるのか、収入によって決めるのか、きっちり分けることは難しいですが、忘れてはいけないルールの一つです。
義理実家などに関するルール
家庭内別居と言えども離婚していない限りはお互いの身内や親戚関係との付き合いはついて回ってきます。
遠方に住んでいるならともかく、近くにお互いの実家などがある場合は困りますね。近くに住んでいる場合は、いっそのこと事情を話すことも一つの方法です。
ですがお互いの両親に心配を掛けたくないなどの理由がある場合は、お互いが納得できる方法を考えておく必要があります。
義理実家が遠方の場合でも、年に数回ある帰省などはどうするのか。これも避けては通れない方法です。
いくら冷めきった夫婦で、お互い相手の両親とはできるだけ会いたくないと思っても、やはり子供にすれば大事なおじいちゃんおばあちゃんです。
これは子供の意思もちゃんと考えたうえでルールを決めてあげてください。
冠婚葬祭に関するルール
お互いの義理実家だけではなく、冠婚葬祭などもきちんと考えておきましょう。
世間体もありますから、我慢をして夫婦そろって出席するのか、この場合はどちらかだけで出席するのかなど予め決めておけることはルールを決めておきましょう。
通夜や葬式などは突然やってきますので、その都度話し合いが必要になることも忘れてはいけません。
家庭内別居での生活費に関するルール
家事などのルールも大切ですが、やはり一番揉める原因になりやすいのはお金です。
食費や電気代、水道代、電話代、家電購入などの臨時出費、保険代など、生活に関する必要経費は様々で、同じ一つ屋根の下に住んでいるとそれをきっちり生活費を分けることはなかなか難しいです。
家庭内別居を開始する時の夫婦の生活スタイルにもよると思います。
まだ子供が小さくて奥様が家で子供の面倒を見る必要がある場合などは、やはり生活費の負担は旦那様にお願いすることになるでしょう。
子供もある程度成長し、お互い仕事を持って経済的に自立している場合は、話し合いをして生活費の負担割合の取り決めをしましょう。
家庭内別居になるほどの夫婦関係ですから、その夫婦が落ち着いてお金に関するルールを話合いできるのか…といった疑問は残りますが、ですがお金のことを曖昧にしていては必ず喧嘩の原因になります。
その他のルール
これらの他にも、子供の行事の参加や、自治会や子供会の役員など小さな問題はたくさん出てきます。
あらかじめ全部決めておければ良いのですがそうもいきません。また、一度決めておいたことでも、再度話し合いが必要になったりルール内容を変更したりする必要もでてくるかもしれません。
なかには、決めたルールに対しての考えの相違があって揉めてしまうということも聞きます。
そのため、あらかじめ決めておけるルールに関しては、合意書など書面で残しておくのも一つの方法です。
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家庭内別居をするにあたっての注意事項
家庭内別居から来る子供への悪影響
家庭内別居を選ぶ理由の中には、自分達の子供のことを考慮して、選択する人もいます。
とは言っても、多感な子供は、親の変な雰囲気には、とても敏感なので、たとえ幼い子供さんであっても、大人が考えるより、真剣にその空気を察知しているものです。
父親と母親の会話が少なくなったり、食事を一緒にすることがない環境、リビングに全員が揃うこともないと言った事なのですが、ちょっとした些細な変化でも、子供は本能的に感じ取るのです。
その結果、不安を感じて、子供ながらにストレスになってしまうのです。
子供が、一定の年齢に達すれば、大人の気持ちや立場、事情も理解してくれるようになっていくかもしれません。
しかし、幼い子供の場合は、父親と母親の仲が悪いことは、子供自身が、自分の責任と背負い込むこともあり得るのです。
そうなると、自分の感情を押し殺してしまう性格になったり、感情を現わすることが苦手になってしまい、他人とのコミュニケーションが上手く取れないということにもなりかねません。
事実、このような幼年期を迎えた人が成長すると、人格形成に悪影響を与えてしまっているので、社会人として苦悩する人も多いのです。
子供にとっては、夫婦の仲の悪さは、全く関係のないことですし、責任があるわけでもありません。家庭内別居ではなく、離婚した夫婦であっても、子供にとっては、唯一の両親なのです。
家庭内別居を解消するために出会った頃の振り返ってみる
このように子供のことを考えると、夫婦のあり方を、見つめ直すことができないものでしょうか?
鈍なに言っても家庭円満が、子供の健全な成長を促しますし、自分達の関係をさらに深めるチャンスでもあるからです。
それは2人が知り合った頃のことを振り返り、思い出すことです。
どのようにして、2人が知り合ったのか?
そして、何をきっかけに気持ちを通わせるようになれたのか?
そのことを今一度、思い出して欲しいのです。
もしかすると、そこに2人が忘れていた熱い思いが甦ってくるかもしれません。
「今はそんな心境でもないし、全くそんな考えがない。」
と思うかもしれません。
もし、2人のどちらかが、他の人を好きになり、再婚を視野に入れているのであれば、話は別ですが、そのような思いがない限りは、冷静に過去を振り替えってみることで、お互いの良さ、存在価値を再認識することができるかもしれません。
誰でも子供を授かり、親になった時は、誰でもうれかったはずです。
「可愛い子供のために、これから頑張ろう。」
そんな気持ちで、仕事も私生活も張り切っていた自分がいたはずです。
その頃は、夫婦の間も子供の成長を楽しみに仲良く頑張り、共同生活が美味くまわっていたはずです。
その頃に思った記憶をたどりながら、再び、2人で歩むことができないかを冷静に思い返していくことができないものでしょうか?
そうすることで、新婚時代の新鮮な気持ちを取り戻すことは難しくても、やり直しをするチャンスを探し出すことは、決して不可能ではないと思うのです。
それでも、どうしても夫婦の関係が修復できないという場合になって、改めて家庭内別居を考えることになっていくと思います。
家庭内別居を続けていくうえで
家庭内別居を続けている夫婦で、その関係で何年も良好に過ごせている夫婦は少ないです。
家庭内別居をを続けている中で、やはりいつかは将来についての決断をするタイミングはやって来ます。
このまま家庭内別居を続けるのか、離婚はせず別居するのか、きっぱりと離婚するのか、それとも夫婦の関係修復に向けて努力するのか…。
どの方法が家族みんなにとって幸せな方法なのかは誰にもわかりません。
いえ、家族みんなが幸せになれる方法が見つからないからこその「家庭内別居」なのでしょう。
家庭内別居で夫婦も子供もみんなストレスのない生活を送ることができるのなら一番良いのですが。
子供が大きい場合や成人している場合はともかく、まだ子供が小さい場合は特に、なかなか選択できないと思います。
子供にはできる限り負担はかけたくないからと、離婚を決断できず家庭内別居を続けている夫婦もたくさんおられます。
経済的問題や住んでいる場所などの環境の問題もあったり、家庭内別居のメリットもたくさんあるでしょう。ですが、自分たちの両親が夫婦として機能していない家庭環境というのは、子供たちにとっては本当に良い環境なのでしょうか。
そして、子供の次に自分の将来についても考えておく必要があります。
子供が成長して自立したときの自分の将来です。
家庭内別居、別居、離婚。それぞれにメリットやデメリットがあり、それぞれのケースによってどの方法が一番良いのかは分かりません。
将来のことを冷静に考えたときに、どの選択が一番良いのか慎重に考えたいですね。